日比谷公園で、百年に一度しか咲かないという「竜舌蘭」が咲いたというので、「これは珍しい、写真に収めよう」と現地に行ってきた。すると、日比谷見附跡に近い第一花壇のペリカン噴水にある二つの竜舌蘭のうちの一つが、その真ん中より太い花茎を出し、その上に黄色い花をたくさん咲かせていた。いつもの竜舌蘭は、まるでアロエを大きくしたような形だが、それとは全く違う異様な光景に、息を飲んだ。
中南米原産のこの植物は、葉に斑入りのリュウゼツランと、斑のないアオノリュウゼツランがあるそうで、現にペリカン噴水では、その両者が植えられている。本日咲いたのは、後者のアオノリュウゼツランの方である。真ん中より伸びた太い茎は、高さが8メートルはあろうか、そこにあたかも秋田の竿燈のように黄色い花がぶら下がるというのは、まさに奇観と言ってよい。
ネットの情報を総合すると、こういうことらしい。まず、百年に一度というのはどうやら間違いで、原産地の熱帯では10年から20年、日本では30年から50年でようやく咲いて、しかも咲いた後は枯れてしまうそうだ。つまり、これだけの長い時間をかけてようやく花を咲かせ、それで一生を終える植物だという。それで、「気高い貴婦人」という花言葉が贈られている。
なかなかの多用途な植物で、食用にもなれば、葉から取った繊維を使ってロープもできるし、お酒のテキーラの原料にもなるという、、、知らなかった。その一方で、種類によっては、痒みという重度の皮膚障害を引き起こすそうだ。いやはや、大変な貴婦人でもある。
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