今年もまた、六義園の紅葉を観て、晩秋を味わおうと行ってみた。ところがどうだ・・・いつもの真っ赤な紅葉がない。こういうことがあるのかと、驚いたくらいだ。夜にはライトアップもあるからそれまで残ろうと思って午後遅くに行ったのに、全く、期待外れだ。しかも、池にはいつも群れているはずの寝癖鳥(キンクロハジロ)が全然おらず、鴨がいて、しかもその数はわずかだ。いったい、どうなっているのだろうと思う。気象異常で夏が暑過ぎたのか、それとも最近の朝晩があまり冷えないからか、よくわからない。このままでは、紅葉するまでもなく、葉が散ってしまいそうだ。

 でも、池に出てみると、池面に青い空が反射して、実に美しい。この池の左手には、「蓬莱島」という小さな石組みがあって、その上にこれまた小さな松が生えていたのだけれど、東日本大震災でそれが崩れてしまった。4年前の3月のことだ。それが、今日見たところ、しっかりと修復されていて、松の木が戻っている。結構なことだ。

 さて、肝心の紅葉だが、たいていの紅葉の木は、同じ木の中で3分の2がまだ緑色のままで、残る3分の1が少し色づいている。これでは、写真にならないではないか・・・おやおや、あちらにすべてが紅葉している木がある。近づくと、ハゼの木のようだ。漆の木の仲間だから、漆と同様、一面に色づく。かぶれるから、近づいてはいけない。紅くなっているのは、この木だけだ。異常な年である。
 (2015年11月28日) 






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