This is my essay.








 私のホームページも、その初めての作成から4年半が過ぎた。トップ・ページのスタイルは、画面の真ん中に表紙の写真を置き、ときどきその入れ替えをして雰囲気を変えるよう努めてきたつもりである。そして、その周囲にアイコンを配置し、主要なページにリンクすることができるようにしてきた。これは、開設当初からのスタイルそのままで、今日まで我ながら頑固に踏襲してきたものである。

 しかし、これは12インチから15インチのような旧来型のノートパソコンの画面で見る分には悪くはないが、17インチ以上の大きな画面を持つデスクトップパソコンでは、いまひとつ迫力に欠ける。その原因はというと、やはり真ん中に置いた表紙の写真がやや小さいことにある。そこで、そのサイズをそれまでの 500 x 375 から、 640 x 480 へと拡大することにした。ところがそうすると、今度は周囲に配置したアイコンの大きさが小さくなりすぎて、いかにもバランスが悪くなる。どうしたものかと考えはじめたのである。

 よく見られるように、フレーム技術を使って画面を分割してみようかと思ったが、私がこれまで作り上げてきた作品は、ビデオを例外としてその他のほとんどのものは、全画面を使って見ないと迫力に欠けるので、フレームには適さない。その代わりに、冒頭から全ページに繋がっているメニューでもあれば、各画面に直接飛んでいけるので、便利だと思いついた。いわゆるドロップダウン・メニューというものである。つまり、インターネット・エクスプローラーの「お気に入り」に使われているような、階層的に垂れ下がるメニューである。私のホームページはかなり分量もあるしやや複雑な構成なので、可能であれば、その階層が三段以上になっているものがあれば、と考えたのである。市販のメニュー・ソフトでも買えば簡単であるが、しかしそれでは面白くない。時間をかけて自作するか、それともフリー・ソフトを探して導入するか、いずれにせよ、まずネットで調べてみることにした。

 ネットで「ドロップダウン・メニュー」又は「プルダウン・メニュー」の検索をかけると、日本人作成のものがいくつかあったが、いずれも、三段ではなかったり、そもそもメニューの追加がしにくかったりで、帯に短し襷に長しというものばかりである。仕方がないというわけで、全世界を対象に「Dropdown Menu」で検索したところ、82万件も出てきてしまった。世界の皆さんも、けっこう苦労していると見える。そこで適当なところをクリックして・・・、駄目だ。またクリックして・・・と繰り返したところ、有望なものが出てきたのである。

 それも、アドレスからすると、ロシアらしい。Evgeny Novikovという人のフリー・ソフトで、ホームページの冒頭に置けるドロップダウン・メニューであり、三段以上にもできるし、組み込むデータは簡単に構成できる。唯一心配だったのは、7ビットの英数字しか表記できないのではないかということだったが、試してみたところ、日本語も表示できた。しかも、MS明朝とフォント指定をしたら、これも可能だったのである。これは理想的なソフトだと思って組み込もうとした瞬間、ウィルスが入っていないかと気になり、スクリプトを一応、読んでみたが、どうやら変な行はなかった。とてもシンプルなソフトである。そこで、全ての頁のアドレスを作って、それを元にメニューのデータを作成し、実際に私のホームページのトップページに組み込んでみたのである。

 立ち上げた瞬間、マウスのポインターがそのドロップダウン・メニューに触った。そうしたところ、ちゃんとメニューが表示されているではないか。それをクリックすると、間違いなくそのページへとリンクされている。実のところ、こんな簡単に成功するとは思わなかったので、いささか拍子抜けをした。まあしかし、成功するときというのは、こんなものであろう。世の中、試してみれば、意外と簡単なのである。

 というわけで、私のトップページは、まず最初の一行目にこのドロップダウン・メニューをもってきて、それから「悠々人生」のタイトル、そして従来と比べて一回り大きな表紙の写真を配置し、その下に、従来は冒頭の行にあったラインを移動させた。それから、ちょっとした動きのあるマスコットを飾って、その下に直近2〜3ヶ月の更新内容を表示する在来型の横棒メニューを置き、そしてカウンターを並べるという順序にした。その結果、以前のスタイルと比べて、非常にすっきりとしたデザインになったと思う。自分でこう評するのもいささかどうかとためらわれるのだが、素人的ホームページから玄人的ホームページになった。これはよろしいと気に入って、ビデオ、写真、そしてエッセイのインデックス・ページも、すべてこのドロップダウン・メニューを使用して作ってみた。なかなか、良い雰囲気を作り出せたのではないかと思っている。すべてはこの、見知らぬロシア人(だと思うが)、Evgeny Novikov さんのおかげである。感謝したい。それにしても、個人的にロシア人のお世話になるとは思いもしなかった。インターネット時代ならではの出来事であろう。






(平成17年4月29日著)
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悠々人生・邯鄲の夢





悠々人生のエッセイ

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