悠々人生のエッセイ








 日比谷公園で菊花展を見たあと、有楽町の旧「そごう」がつぶれた後に進出したビックカメラという電機屋さんに行って、とうとうウィンドウズXPを買ってしまった。何しろ私のパソコン歴は長いのだけは取り柄で、MS-DOS時代からはじまって、Windows 95、それに98、よせばいいのにMeまで手を出した。ところが、このMe(Millenium Edition)というのはとんでもない出来の悪さで、もうがっかりしてしまった。いくつかソフトを同時に動かすと、たちまちフリーズして、にっちもさっちもいかないということばかりである。システム・リソースの制約が強すぎるのである。そのせいで、せっかくお金を払って動かしているシェアウェアを止めなければいけない。まるで、かつてのMS-DOS時代に戻ったかのようである。

 そんなわけで、オフィスで使っているWindows 2000 と比べると、Meのひどさが際だっていて、一時は98に戻そうかとまで考えたほどである。そうこうしているうちに、NTと2000の長所を取り入れたXPが出るというので、待っていた。これで、私のパソコンも、少しはちゃんと動くといいのであるが、どうなるだろうか。なお、XPの中に標準装備されているソフトを使えば、チャットだけでなく、テレビ電話ができるようだ
(注)。国内の私の実家とはもちろん、外国にいる家族ともインターネットで顔を見ながら、電話したいと思っている。さて、データのバックアップをとって、今からアップグレードの作業に移ろうとしようか。

 それにしても、またマイクロ・ソフトの製品を買ってしまったのには、我ながら癪に障る。しかし、たとえばソニーの製品を買ってもそれほど癇に障るようなことはないのに、なぜマイクロソフトだと、我ながら大人げないこのような感じを抱くのだろうか、誠に不思議である。いや、これは別に私のせいではないのではないか。要するに「社格」つまりマイクロ・ソフト社の品格のせいなのかもしれない。だいたい、パソコンの草創期に天下のIBMがまだティーンエイジャーだったビル・ゲイツを甘やかしたからいけない。おかげで、今や独禁訴訟も幹部社員の脱税論争も何のそのという会社ができてしまったのではないか。

 さてと、やっとMeからXPへのアップグレードが終わった。延々三時間半もかかった。最初の段階にあと75分という表示が出て、そりゃ長いなと思ったのもつかの間で、それから途中でFat32で既存のファィルを確認するといって、一時間以上もかかったのには参った。ともあれ、こうして長く本当に面倒な過程が終わったところでチェックをしたら、案の定、いくつかのソフトが動かないことが判明した。それも大事なものばかりなので、困ってしまう。CDの焼き付けに使うEasy Createrと、ウィルスチェックのMacAfeeと、そして最も痛いのが、内蔵モデムがダメになったことだ。

 もちろん、家で普段はADSLのLANを使っているから、ダイヤルアップのモデムは使わない。しかし、パソコンを外に持ち出したときに困る。もっとも、このモデムは私が一番不満に思っていたもので、内蔵モデムといっても実はソフトなのである。それがMeで動くものだから、システムリソースのあらかたを消費してしまい、他のソフトが全然使えないのである。今度はXPだからそういうことはないだろうと思っていたが、ソフトそのものがダメになってしまうとは・・・まったく予想外の結果だ。しかし、メーカーのシャープが対応してくれるとは思えないし、はてどうしたものか。

 もう少し様子を見て、いよいよとなれば、カードのモデムを使おうか。Easy CreaterにMacAfeeは・・・買うのが一番だが、そもそも購入時に添付されていたものだけに、何とかならないかという気もする。ところが、前者はたまたま新バージョンを買ってもいいなという気持ちがあった。それに後者も、インターネットの常時接続を始めたので個人のファィア・ウォールが必要だと感じていたから、これもこの際に買い代えるかという気になり、いずれもアップグレード版を買ってしまった。思わぬ出費となった。・・・というわけで、XP導入に伴っていろいろの障害を乗り越え、息も絶え絶えになりつつも、何とか目処がついた。いまではXPを駆使して、もうシステム・リソース切れに悩まされることなく、快適にパソコンを操っている。ただし、あまり人にはお勧めできない。最初からインストールされているパソコンを買うのが一番である。




(注) テレビ電話の件であるが、どうも現在のADSLでは、絵に描いた餅らしい。インターネット中で固定アドレスを使わずに、つながるたびに別のアドレスを割り当てるために、先方からの映像が宙に浮いてしまうのである。やっぱり、マイクロソフトらしい。





(平成13年11月16日著)
(お願い 著作権法の観点から無断での転載や引用はご遠慮ください。)





悠々人生・邯鄲の夢





悠々人生のエッセイ

(c) Yama san 2001, All rights reserved