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1.新マンションの大規模修繕に参画
私は、新しい池之端のマンションに移転して、こちらで最初の大規模修繕の時期を迎えた。理事会から、大規模修繕の経験者を募集するお知らせがあったので、私の旧マンションでのこれまでの経験(1回目、2回目)が生かせると思い、手を挙げた。すると、同じようにボランティアが私のほかに2人いて、そのうちのお1人は現役の一級建築士だったので、心強い限りだ。 2.第2回大規模修繕委員会 2024年11月17日、第2回大規模修繕委員会に出席した。理事会メンバーの他、委員会に私を含めて3人が手を挙げたが、私は弁護士であり、もう一人は一級建築士の女性だった。彼女は、「この大規模修繕は、単に補修するだけなのか、それとも改修をして見た目が変わるのを望むのか、それによって企画監理の会社が違う」と言っていた。 私は、企画監理の入札に当たっては、この入札勧誘の新聞掲載記事の中に、「単なる『分譲マンションの企画監理』」だけでなく、『高層』を入れて『高層分譲マンションの企画監理』としてくれ」と言い、彼女は、「実績を見たいので、新旧を対照できる写真を入れてくれ」と言った。 前回の第1回委員会は、私は旅行中で欠席だったので議論の内容は知らなかったが、配られた資料からして、企画監理と修繕工事を分けて入札することになったようだと思っていた。ところが中には議論を蒸し返して、「管理会社のS不動産にそのまま企画監理を頼みたい、でないと不安だ」という意見があったが、それはたった一人にとどまり、決をとったら他の全員が企画監理も入札ということになった。 まあ、初めての経験だから、不安な気持ちは分からない訳でもない。しかし、マンションに住んでいるということは、大規模修繕は避けられない宿命だといえる。それを避けていては、話にならない。 この段階で、ちゃっかりと、管理会社は、企画監理代として、490万円の見積もりを出して来た。ちなみにこの管理会社は、自社には大規模修繕工事部門を持たない模様で、それは良かった。なぜなら、前回の管理会社であった東京建物のように、我田引水の如く自社に工事をさせろと主張することがないからだ。 なお、前回の私の経験では、企画監理の入札の結果は、次のようになっていた。ここでまず、B社が脱落し、A社とC事務所の間の競走になったが、当時はたまたま新型コロナの時期だったこともあり、個人事務所でコロナに罹ったら仕事に差し支えるということで、結局A社に決めた経緯がある。 A社(大手) 330万円 B社(中堅) 340万円 C建築事務所(個人)  300万円 3.企画監理会社の募集 まずは、企画監理会社の募集【資料01】を新聞に載せることにした。12月初旬に掲載し、下旬に締め切り、来る2025年1月初旬に比較表を作って、委員会で検討することになる。 4.第3回大規模修繕委員会 (1)企画監理会社の選定 新年早々に応募してきた企画監理会社の中から見積りを出してもらう会社を選ぶ大規模修繕委員会が開かれた。配られた資料のうち一覧表の内容の概要は、次の通りである。この他、電子データの形で各社の資料が配布されたが、その中には、改修提案の写真も少しは含まれていた。 @1級建築士数、A過去3年売上推移、B直近5年の実績(うち20階以上)、C信用度スコア A社 @13名、A着実に増加、B 52( 2)、C50 B社 @12名、A大きく増加、B199( 4)、CND C社 @26名、A横ばい傾向、B 88( 5)、C53 D社 @26名、Aかなり拡大、B124( 6)、C54 E社 @ 9名、A少しは拡大、B106( 1)、C52 F社 @23名、A最近足踏み、B366(28)、C57 G社 @21名、A着実に増加、B152( 7)、C60 H社 @19名、A漸次の拡大、B212(13)、CND 私が申し上げた意見は、次の通り。まずは選ぶ視点として大事なのは、以下の2点である。 第1.小規模の会社や、経営不安定な会社はやめよう。経営の余裕がないと、仕事も雑になるし、倒産でもされたら困る。 第2.単に外壁の塗り替えだけでなく、ロビーや外構のリノベーションの提案力があるかどうかである。そういう観点からすると、 A社は、売上は4番目に大きい。高層マンションもやっているようだけど、どうやら関西が中心なので、関東は手薄なのではないか。 B社は、売上が最も小さいし、自社の創業年すら間違えている。実績にも不審点がある上、他社との関係に気になるところがある。 C社は、売上が低迷し、かつ赤字の年もあり、避けた方がよい。大規模修繕の途中で投げ出されたら困る。 D社は、売上が最も大きく、特に欠点がないので、当確にしたい。ロビーの改修提案をした実績があるようだ。 E社は、売上も最低から2番目だし、高層マンションの実績がたった一つだけなので、気が進まない。 F社は、売上が2番目に大きいし、高層マンションの実績が28と、突出しているので、当確。ただ、改修専門を標榜しているので、果たして洒落たロビー改修を提案出来るかどうか。 G社は、資本金がさほど大きくない割には工事実績が豊富のようだ。どうしてこうなっているのかは、よくわからない。ただし、改修提案の事例は、なかなかよい。 H社は、売上も何もかも安定感抜群だが、ただ、改修実績として挙げてきた事例は、お粗末である。 ということで、D社、F社、G社、H社で、私は良いと思う。 すると、委員のひとりは、「F社については、ネット上で地方の関連会社が倒産したとの噂があるようだ」というので、「それは入札前の各社ヒヤリングの段階で、同社に聞いてみよう」ということになった。別の委員からは、「A社には、改修提案力がありそうなので、入れておいたらいかがですか」という意見があり、そうすることになった。結局、それもヒヤリングすることになった。ということで、A社、D社、F社、G社、H社を合格とすることになった。この段階で落ちたのは、3社にとどまった。でも、5社もあるから、ヒヤリングが大変だ。 (2)企画監理会社への見積り依頼 そこで、(1)で選定された5社に対して発出する見積依頼書案について審査したところ、その中の見積り依頼業務が次のようなものだった。 [1]建物現況調査業務:@建物の調査診断、A報告書作成 [2]企画提案業務:企画業務(設計・仕様書・数量表・業者選定等まで) [3]工事監理業務:@ 工事監理業務、A報告書作成、Bアフター点検 私は、「この大規模修繕は、単なる外壁のペンキの塗り替えや防水をするのではなく、少しでも資産価値を高めるために、目立つところ、例えば外構やエントランスを最近の新築マンションと同じくらいに新しくすることである。そうすればマンション全体だけでなく、各戸の資産価値も上がる。あまりお金はかける必要はないが、明らかに新しく綺麗になった、最新のマンションに見劣りしないと誰にでもわかるようにすべき」と力説した。そこで、特に愛想のないエントランスを改修すべきだと提案した。 もう一人の委員である一級建築士も同調してくれて、「エントランスだけ変えると外観とマッチしないことが有り得るので、それも一体として扱うべきだ」と話してくれた。 ところが、なんにでも水を掛ける人がいるもので、「それはお金がかかるのではないか」と言うから、私が「数百万円で収まると思うし、それくらいなら、本体工事の入札で簡単にひねり出せる」と言った。 事務局からは、「場合によっては、大規模修繕工事本体と分けて提示できます」と援護射撃をしてくれた。「ただ、かなりの改修になるのであれば、総会の特別決議が必要になります」と付け加える。 そんな議論の末、[2]企画提案業務を次のように変えることになった。 (修正前)企画業務(設計・仕様書・数量表・業者選定等まで) (修正後)企画業務(設計・仕様書・数量表・業者選定等まで並びに外構、外観及びエントランスの改修提案) (令和6年12月18日著、同7年1月15日追加) (お願い 著作権法の観点から無断での転載や引用はご遠慮ください。) |
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