悠々人生エッセイ



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目 次          
     
 01    新マンションの大規模修繕に参画
 02    単なる補修か、改修で資産価値を上げるか
 03    企画監理会社の募集を行う
 04    企画監理会社の応札で素人騙し
 05    委員会で管理会社D社の素人騙しを指摘
 06    応札企画監理会社へのヒヤリング
 07    (続く)


1.新マンションの大規模修繕に参画

 私は、新しい池之端のマンションに移転して、こちらで最初の大規模修繕の時期を迎えた。理事会から、大規模修繕の経験者を募集するお知らせがあったので、私の旧マンションでのこれまでの経験(1回目2回目)が生かせると思い、手を挙げた。すると、同じようにボランティアが私のほかに2人いて、そのうちのお1人は現役の一級建築士だったので、心強い限りだ。


2.単なる補修か、改修で資産価値を上げるか

 2024年11月17日、第2回大規模修繕委員会に出席した。理事会メンバーの他、委員会に私を含めて3人が手を挙げたが、私は弁護士であり、もう一人は一級建築士の女性だった。彼女は、「この大規模修繕は、単に補修するだけなのか、それとも改修を通じて資産価値を上げるのを望むのか、それによって企画監理の会社が違う」と言っていた。

 私は、企画監理の入札に当たっては、この入札勧誘の新聞掲載記事の中に、「単なる『分譲マンションの企画監理』」だけでなく、『高層』を入れて『高層分譲マンションの企画監理』としてくれ」と言い、彼女は、「実績を見たいので、新旧を対照できる写真を入れてくれ」と言った。

 前回の第1回委員会は、私は旅行中で欠席だったので議論の内容は知らなかったが、配られた資料からして、企画監理と修繕工事を分けて入札することになったようだと思っていた。ところが中には議論を蒸し返して、「管理会社のS不動産にそのまま企画監理を頼みたい、でないと不安だ」という意見があったが、それはたった一人にとどまり、決をとったら他の全員が企画監理も入札ということになった。

 まあ、初めての経験だから、不安な気持ちは分からない訳でもない。しかし、マンションに住んでいるということは、大規模修繕は避けられない宿命だといえる。それを避けていては、話にならない。

 この段階で、ちゃっかりと、管理会社は、企画監理代として、490万円の見積もりを出して来た。ちなみにこの管理会社は、自社には大規模修繕工事部門を持たない模様で、それは良かった。なぜなら、前回の管理会社であったT建物のように、我田引水の如く自社に工事をさせろと主張することがないからだ。

 なお、前回の私の経験では、企画監理の入札の結果は、次のようになっていた。ここでまず、B社が脱落し、A社とC事務所の間の競争になったが、当時はたまたま新型コロナの時期だったこともあり、個人事務所でコロナに罹ったら仕事に差し支えるということで、結局A社に決めた経緯がある。

    A社(大手)          330万円
    B社(中堅)          340万円
    C建築事務所(個人)  300万円


3.企画監理会社の募集を行う

 まずは、企画監理会社の募集【資料01】を新聞に載せることにした。12月初旬に掲載し、下旬に締め切り、来る2025年1月初旬に比較表を作って、委員会で検討することになる。

(1)企画監理会社の選定

 新年早々に応募してきた企画監理会社の中から見積りを出してもらう会社を選ぶ大規模修繕委員会が開かれた。配られた資料のうち一覧表の内容の概要は、次の通りである。この他、電子データの形で各社の資料が配布されたが、その中には、改修提案の写真も少しは含まれていた。

 @1級建築士数、A過去3年売上推移、B直近5年の実績(うち20階以上)、C信用度スコア

 A社 @13名、A着実に増加、B 52( 2)、C50

 B社 @12名、A大きく増加、B199( 4)、CND

 C社 @26名、A横ばい傾向、B 88( 5)、C53

 D社 @26名、Aかなり拡大、B124( 6)、C54

 E社 @ 9名、A少しは拡大、B106( 1)、C52

 F社 @23名、A最近足踏み、B366(28)、C57

 G社 @21名、A着実に増加、B152( 7)、C60

 H社 @19名、A漸次の拡大、B212(13)、CND

 私が申し上げた意見は、次の通り。まずは選ぶ視点として大事なのは、以下の2点である。

 第1.小規模の会社や、経営不安定な会社はやめよう。経営の余裕がないと、仕事も雑になるし、倒産でもされたら困る。

 第2.単に外壁の塗り替えだけでなく、ロビーや外構のリノベーションの提案力があるかどうかである。そういう観点からすると、

 A社は、売上は4番目に大きい。高層マンションもやっているようだけど、どうやら関西が中心なので、関東は手薄なのではないか。

 B社は、売上が最も小さいし、自社の創業年すら間違えている。実績にも不審点がある上、他社との関係に気になるところがある。

 C社は、売上が低迷し、かつ赤字の年もあり、避けた方がよい。大規模修繕の途中で投げ出されたら困る。

 D社は、売上が最も大きく、特に欠点がないので、当確にしたい。ロビーの改修提案をした実績があるようだ。

 E社は、売上も最低から2番目だし、高層マンションの実績がたった一つだけなので、気が進まない。

 F社は、売上が2番目に大きいし、高層マンションの実績が28と、突出しているので、当確。ただ、改修専門を標榜しているので、果たして洒落たロビー改修を提案出来るかどうか。

 G社は、資本金がさほど大きくない割には工事実績が豊富のようだ。どうしてこうなっているのかは、よくわからない。ただし、改修提案の事例は、なかなかよい。

 H社は、売上も何もかも安定感抜群だが、ただ、改修実績として挙げてきた事例は、お粗末である。

ということで、D社、F社、G社、H社で、私は良いと思う。

 すると、委員のひとりは、「F社については、ネット上で地方の関連会社が倒産したとの噂があるようだ」というので、「それは入札前の各社ヒヤリングの段階で、同社に聞いてみよう」ということになった。別の委員からは、「A社には、改修提案力がありそうなので、入れておいたらいかがですか」という意見があり、そうすることになった。結局、それもヒヤリングすることになった。ということで、A社、D社、F社、G社、H社を合格とすることになった。この段階で落ちたのは、3社にとどまった。でも、5社もあるから、ヒヤリングが大変だ。


(2)企画監理会社への見積り依頼

 そこで、(1)で選定された5社に対して発出する見積依頼書案について審査したところ、その中の見積り依頼業務が次のようなものだった。

[1]建物現況調査業務:@建物の調査診断、A報告書作成

[2]企画提案業務:企画業務(設計・仕様書・数量表・業者選定等)

[3]工事監理業務:@ 工事監理業務、A報告書作成、Bアフター点検

 私は、「この大規模修繕は、単なる外壁のペンキの塗り替えや防水をするのではなく、少しでも資産価値を高めるために、目立つところ、例えば外構やエントランスを最近の新築マンションと同じくらいに新しくすることである。そうすればマンション全体だけでなく、各戸の資産価値も上がる。あまりお金はかける必要はないが、明らかに新しく綺麗になった、最新のマンションに見劣りしないと誰にでもわかるようにすべき」と力説した。そこで、特に愛想のないエントランスを改修すべきだと提案した。

 もう一人の委員である一級建築士も同調してくれて、「エントランスだけ変えると外観とマッチしないことが有り得るので、それも一体として扱うべきだ」と話してくれた。

 ところが、なんにでも水を掛ける人がいるもので、「それはお金がかかるのではないか」と言うから、私が「数百万円で収まると思うし、それくらいなら、本体工事の入札で簡単にひねり出せる」と言った。

 事務局からは、「場合によっては、大規模修繕工事本体と分けて提示できます」と援護射撃をしてくれた。「ただ、かなりの改修になるのであれば、総会の特別決議が必要になります」と付け加える。

 そんな議論の末、[2]企画提案業務を次のように変えることになった。

(修正前)企画業務(設計・仕様書・数量表・業者選定等まで)

(修正後)企画業務(設計・仕様書・数量表・業者選定等まで並びに外構、外観及びエントランスの改修提案

(1から3まで、令和6年12月18日著、同7年1月15日追加)


4.企画監理会社の応札で素人騙し

 募集に応じて、5社の企画監理会社が応札してきた。説明資料を出してきたのは、次の4社だった(これらの数字は、税抜)。理事長の采配で、この4社全部につき、ヒヤリングを実施することになった。(以下ヒヤリング順に、上記3.(1)の記述とは別に、A社、B社、C社、D社と称する。)

 A社 297万円
 B社 390万円
 C社 395万円
 D社 450万円

 そのヒヤリングをする準備として、各社に対する質問事項を整理している時、私はとんでもない資料を発見し、これは正に素人騙しの手口だと愕然とした。それは、D社の説明資料の最後にあった。そこには、こんなことが書かれていた。

 「当社があらかじめ品質、コスト面で信用できる施工会社を2社紹介し、施工会社選定における管理組合さまの労力と時間と費用を軽減します。
(1) 昨今の建築業界全体の人手不足により、公募では中堅施工会社が手を挙げてこない傾向があります。本方式であれば元請実績の少ない『安かろう悪かろう』の施工会社を選ぶリスクを低減し、実績と品質に信頼のおける施工会社を確保することができます。紹介施工会社は、年間を通しての発注量と失注による無駄な経費を削減させることで、工事費用を抑えることができます。
(2) 先行して施工会社を確保することで、人手不足の現状の中で良質な現場監督、良質な専門工事業者を早期に抑えることができます。
(3) この弊社独自の『施工会社選定先行方式』による減額提案は、次の通りです。
【元お見積もり】    ⇒  【減額提案お見積もり】
  合計 495万円    ⇒     合計 310万円 (△185万円)

=========================================================
内訳 @ 建物現況調査 ⇒ 内訳@簡易建物現況調査 △ 24万円
   A 企画提案業務 ⇒   A施工会社見積利用 △132万円
   B 施工会社選定 ⇒   B公募せず不要に  △ 29万円」


 実はD社は、当管理組合が委託している管理会社なのだが、それが、今回の大規模修繕工事の企画監理業務に応募していたのである。私は、最初それを聞いてどうかと思った。というのは、我田引水の現象が起こりかねないからだ。つまり管理会社に工事部門があると、強引に自社に大規模修繕工事を持ってこようとするからである。それをD社に確認すると
「弊社には工事部門はありません」と答えたので、まあ良いかと放置したおいた。

 ところが、それにもかかわらず、D社の上記のとんでもない説明資料が出てきたというわけである。これは、明らかに素人騙しの策略である。


5.委員会で管理会社D社の素人騙しを指摘

 それを発見してからしばらくして、2025年6月13日、大規模修繕委員会が開かれた。そこで私は、次の文章を委員の皆さんに配布した。たまたまタイミング良くその頃に、朝日新聞の「高いマンション修繕工事 管理組合どう対応 業者選び 誘導に注意して」(2025年6月8日付)という記事が出たのでそれも紹介した。

 今回の企画監理会社の選定で管理会社のD社の案を取るべきではない理由

(1)今回の企画監理会社の提案のうち、管理会社のD社は、
「施行会社選定先行方式」と称して 「施行会社を2社紹介してそのうち1社にさせる。これにより元の見積り495万円を312万円にする」と主張する。しかし、こんなことをすると、以下の通り、管理組合の資金を相当失うおそれがあるので、私は反対である。

(2)私は、以前居住していた近くのマンションで、理事長として第1回の大規模修繕に携わり、かつ第2回の大規模修繕にも理事会の顧問弁護士として携わった。その経験から申し上げると、管理会社に設計監理と工事を一括して丸投げするのは愚策である。この管理会社のD社の案は、実質的にこの一括丸投げと同じことである。

 やはり本筋は、@理事会で企画監理をする建築設計事務所を競争入札によって決定し、Aその事務所に工事設計図書(仕様書・図面)等を作成させたうえで、B工事会社を競争入札によって決定する方が、はるかに安く、かつ施工業者と企画監理事会社との適度な緊張関係が生まれて、手抜き工事が少なくなる。

(3)私が前のマンションで2021年に行った第2回の大規模修繕の実例は、今回のように建築設計事務所の競争入札の結果、この時はたまたまコロナ下だったので、個人事務所は本人が倒れたら代わりがいないという理由で、@S設計に決定した。
  @ S設計  (Mさん推薦。大規模事務所)330万円
  A B 社  (Sさん推薦。中規模事務所)340万円
  B M建築士 (Yさん推薦。個人の事務所)300万円

 このS設計の立案の下で、工事会社の競争入札の結果
 (第1位)S 社    5,280万円
 (第2位)K 社    5,390万円
 (第3位)J 社    5,478万円
 (第4位)T 社    6,017万円
 → このうち、最安値を出した大手建築会社の100%子会社であるS社に決定した。

(4)ところが、仮に企画監理会社と工事会社が一体だとすると(管理会社のD社案は、ほぼこれに近い)、おそらく、この第4位のT社と同じような金額となり、管理組合はその分、800万円近くの資金を失うことになりかねない。我々のこのマンションは、上述のマンションの4倍の規模のため、少なくとも3,200万円の損失になる。だから、管理会社のD社は、今回の企画監理費が180万円安くなると主張するが、管理組合は、それをはるかに上回る損失を被りかねない。


 その場にいた管理会社の係員は、驚いて目を白黒していたが、それだけでなく、私は、「この文書には書いてないが」と前置きして、口頭で次のように畳み掛けた。

 この管理会社D社の提案の問題点は、4つある。第1は、これは入札なのだから、自社が提示した入札額が高ければそれで潔く諦めるべきである。それなのに、たまたま管理会社という立場を利用して他の入札情報を取得し、それを僅かに下回る額(第1位326万円(税込)>管理会社の新提案310万円(同))を提示してくるというのは、正に不公正の極みである。

 第2は、D社が施工会社を選ぶ立場にあるから、D社はその施工会社からリベートをとる可能性がある。あくまでも可能性を申し上げているだけであって、実際にとるとは言わないが、仮にとるとなると、D社はこのように管理組合に対して180万円値引きしたとしても、その分、簡単に取り戻せて、しかも結局はそのリベート分が管理組合に対して請求してくることになってしまうという仕組みではないか。

 第3に、D社の案は、要はロクな建物現況調査もせず、企画提案業務は施工会社に丸投げし、募集業務もせずに済ませようということだ。本来の企画監理会社のあるべき姿は、分厚いちゃんとした設計図書を作り、施工会社がそれに従って工事を進めるというものだ。こうして両者の間の監督と施工という適度な緊張関係があってはじめて立派な仕事ができる。それなのに、何もかも施工会社に丸投げをしていては、D社自体はちゃんとした仕事はしないと言っているようなものだ。

 第4に、これが一番の問題なのだが、D社は公募によらずに施工会社を指名するので、その施工会社はライバル会社を気にすることなく、管理組合に高額の請求をしてくることは、目に見えている。場合によっては数千万円も高額になることも考えられる。それなのに、
「発注量と失注による無駄な経費を削減させることで工事費用を抑えることができる」とか、「人手不足の現状の中で良質な現場監督、良質な専門工事業者を早期に抑えることができる」とか、素人騙しの言葉を書き連ねて管理組合のお金を狙うなんて、とんでもないことだ。

 管理会社の係員は、
「ウチは、リベートをとるようなことは、コンプライアンス違反だから絶対にありません。」などと口をパクパクしていた。


(4及び5、令和7年6月13日追加)

6.応札企画監理会社へのヒヤリング

 そういう経緯があって、いよいよヒヤリング当日を迎えた。ヒアリングは、午前9時半から始まり、1時間半で次の応募社の番となる。時間配分は1社あたり20分から30分ほど説明してもらい、30分くらいの質疑応答を経て、休みに入るという具合で、A社とB社が午前、C社とD社が午後であり、D社は一番最後の順番である。それに引き続いて30分間で委員各位の意見を聞き、後日開かれる理事会で決めるという段取りである。私は、D社との対決を楽しみにしていた。

 最初のA社は、若い二人連れがプレゼンテーションを行ってくれた。資料も説明も分かりやすかった。中でも、足場を組むゴンドラを長いものと角のものを増やしてゴンドラの数を減らし節約を図るという説明には感心した。まあ、入札額は一番安いし、担当者の話を聞く限り、こちらの注文を良く聞いて対応してくれそうな気がした。

 次のB社は、営業の他、二人の部長クラスと、それに、何とまあ社長が出てきて説明してくれた。説明は懇切丁寧で痒いところに手が届き、感心した。また、社長もなかなかのもので、例えばこちら側の委員の一人が、前のヒヤリングの知識を使って
「ゴンドラを長いものにしてはどうか」などと聞いたところ、「長いものにすれば確かにゴンドラの数を減らせるけれど、しかしその反面、同じゴンドラに数人の作業員が乗っているような場合にそのうち二人は10分で作業を終えたのに残りの人達は1時間もかかるというようなときには、人工が無駄になる」などとたちどころに答えたので、感心した。

 三番目に登場したC社は、営業担当のほか、一人のベテラン担当者が出てきた。ところがこのベテランは、営業担当者が綺麗なストーリーで説明しているのに、その横ですぐ裏話を披露したりするので、何か全体をぶち壊しているような感があった。業界事情に精通しているというのも、善し悪しである。

 最後は、いよいよお待ちかねのD社である。私は、あらかじめ、文書で次のような質問を投げかけていた。

 「前々回の理事会・大規模修繕委員会の会合で、『企画監理方式』つまり、企画監理会社をまず選んでそれを通じて競争入札を行って工事会社を選定するという話になっていたはずです。その方が競争入札をするから、工事費用がはるかに低く抑えられるからです。

 その過程で、もう一つの『責任施工方式』つまり、企画監理と工事会社を一体として工事をさせるというやりかたは、工事代金が吊り上げられて非常に高くなるから採用しないとなっていたはずです。

 ところが、今回の御社の提案は、工事会社を二つ用意するとはいっているものの、実質的には既に排斥された責任施工方式を復活させようとするもので、到底受け入れられるものではありません。

 やはり、新聞広告から始めて工事会社を募集して競争入札にかけるべきだと思うが、如何がお考えか。」


 これに対して、D社が書いてきた答えは、
「組合さまの方針通り、企画監理方式で対応させていただきます。」であった。私は、「あれあれ、諦めたのかな」と内心思って、D社担当者の説明を聞くことにした。しかし、諦めたにしては、その説明資料の目次を見ると、次の(4)※のようになっている。これは、一体どういうことなのだろう。

ご説明内容
 (1)会社概要と弊社の強み
 (2)貴マンションの特徴と修繕ポイント
 (3)企画監理業務の内容
 (4)企画監理業務の減額提案※

 若い方の担当者が(1)から順に説明していって、(3)が終わり、(4)の表題に移ったところで、横にいた上司が「もう良い」止めた。そこで私が、「減額提案をしないということは、御社の応札価格は税抜きで450万円のままでよろしいのですか。」と聞いた。するとその上司らしき人が頷く。「では、185万円の値引きと、おっしゃる施工会社選定先行方式というのは、セットになっていたのですね」と畳みかけたら、それにも頷いた。だから、
いわば全面降伏したというわけだ。これ以上は、武士の情けで、私も追求しないことにした。

 それから行われた委員間の話し合いで、A社とB社を有力候補として取り上げることとなった。引き続いて1週間後に行われた理事会で、両社を比較検討の上、B社を選ぶことになった。

(後日談)その後、聞いたところによると、D社は、5年ほど前に、管理業務に専念しようと、大規模修繕部門をいったん廃止したらしい。ところが、居住者からの要望もあって、3年前に再開して、一昨年くらいから再び手掛けるようになったという。ここからは私の推測だが、いったんこのような技術部門を廃止すると、技術者やノウハウが離散してしまう。だから、このような丸投げ方式をすることしかできないのではないのかと思っている。


(6は、令和年7月5日追加)





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