悠々人生エッセイ



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 近くの文京シビックホールで、シルク・ドゥ・ラ・シンフォニー(Cirque de la symphonie)という公演があるというので、観に行った。

 プログラムは、下記にある通り、知っている音楽ばかりで、これをウクライナ交響楽団が演奏するという。最近のウクライナの対ロシア戦争でのウクライナ支援のつもりで出掛けたのである。ところが、観てびっくり、、、これは音楽会というよりは、サーカスそのものだったからだ。

 およそ50名から成る交響楽団が舞台のやや奥に引っ込んでいると思ったら、その前のスペースで、素晴らしい演技が次々に繰り広げられる。

 まずはクラウン(道化役)のツアルコフが、コミカルな演技で客を沸かす。しかもこの人、輪や棍棒のジャグリングも上手い。超一流だ。その奥さんのエレーナも、新体操のようなリボン演技の名手だ。


 舞台に長い紐が下がってきて、それを使って男女二人が空中で演技を行う。エアリアルだ。ブランドンはラスベガスのヴェネツィアホテルで演技しているようだし、オーブリーはロサンゼルスがベースのようだ。それにしても、空中でぐるぐる回りながら、相方と手を離し、どうやって身体を支えているのだろうとわれわれ観客をはらはらさせる。。

 クラウンがまた出てきて、早変わりを演ずる。輪とそれに繋がる布で、美人の奥さんを数秒間隠してそれをさーっと下げたかと思うと、現れた奥さんが全く別の衣装で出てくる。あらかじめ中に着ているのかと思ったら、そうでもなくて更に大きな衣装を着て現れる。どうなっているのだろう。

 フラフープをまとった美人のソフィアが出てきて、フラフープをトンネルのようにしたかと思えば、両手、胴そして両脚で十数本も回していた。目を見張る。

 1本のワイヤの上で演技するのはエフゲニー。その上で逆立ちし、頭ひとつで両手両足を広げて離したり、もう自由自在で、驚いた。


 最後にびっくりしたのが、ストロングマン(セルゲイとアレクサンダー)。片方の身体がやや大きい。それで、その人が天灯鬼のようにドーンと立つ。もう一方の人がその天灯鬼の頭の上に片手で立ったり、頭ひとつで立ったりと、もはやアクロバットと言ってもよく、すごかった。

 ということで、これは只者ではないと思い、インターネットで検索(PDF)したら、こういうことだった。


「『コンサートホールにサーカスを』をコンセプトに、フルオーケストラとの共演だけを行う世界唯一のパフォーマンスグループとして2006年にアメリカで発足。メンバーはエアリアル、フラフープ、ジャグリング、怪力男やピエロなど8名から成り、いずれもシルクドソレイユ等の有名団体でキャリアを有す他、オリンピック選手や国際選手権のゴールドメダリストも含まれている。

 これまでアメリカを中心にカナダ、メキシコ、ベネズエラ等北中米にて年間50〜100回の公演を行ってきた他、2015年には初のアジアツアーを開催。名門フィラデルフィア管弦楽団とニューヨークでのデビュー公演を果たして以来、ボストン・ポップス、シカゴ交響楽団、アトランタ交響楽団、ミネソタ管弦楽団、シドニー交響楽団、ロシア国立交響楽団等の超一流の楽団をはじめ世界中の100以上のオーケストラと共演。特に全米のツアーに際しては各地完売が続出する人気公演となっている。今回が3回目の来日」


 令和4年3月に、シルク・ドゥ・ソレイユ(CIRQUE DU SOLEIL)の代表作「アレグリア(ALEGRIA)」を観に行ったが、その時と同じような感動を味わった。






(別添)シルク・ドゥ・ラ・シンフォニーのプログラム

  1.エルガー:行進曲「威風堂々」
  2.JシュトラウスI I:ポルカ・シュネル「雷鳴と電光」
  3.サン・サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」より
   パッカナール
  4.ビゼー:歌劇「カルメン」よりジプシーの踊り
  5.グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より
  「復讐の女神の踊り」
  6.ブラームス:ハンガリー舞曲第一番
  7.ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」より「ワルキューレ
   の騎行」
  8.グノー:歌劇「ファウスト」より「鏡の踊り」
  9.スメタナ:歌劇「売られた花嫁」より「喜劇役者の踊り」
  10.ファリァ:歌劇「はかなき人生」間奏曲とスペイン舞曲
  11.Aポンキェッリ:歌劇「ジョコンダ」より「時の踊り」
  12.ファリァ:バレエ「恋は魔術師」
  13.JシュトラウスI I:美しく青きドナウ
  14.オッフェンバック:歌劇「天国と地獄」より「カンカン」
   第四番
  15.マルケス:ダンソン
  16.シベリウス:交響曲「フィンランディア」








(令和6年1月5日著)
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