悠々人生エッセイ



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 北海道積丹半島への旅( 写 真 )は、こちらから。


 最高気温43度の灼熱のエジプトから帰って2週間も経たないうちに、今度は最高気温17度の北海道へと旅立った。実は、北海道は学生時代から何度も行ってほとんどの所を行き尽くしているのだが、残念ながら積丹半島だけは行ったことがない。そこで、たまたまその方面へのツアーがあったので、参加することにした。

 このツアーのうたい文句は、「北海道 紅と蒼の8つの絶景めぐり」というものだ。まずは新千歳空港に降り立って、小樽に行く。途中で、支笏湖を見る。残念ながら逆光だったが、雲の合間から射す日光が印象的である。小樽は、私はもう何度も来ているが、改めて倉庫群をはじめとする市内を観光した。


 小樽から積丹半島などをめぐる旅に出発した。最初は積丹半島の島武意海岸に向かう。積丹ブルーといわれる透明なコバルトブルーの海が見られるのだが、上から眺めただけで、海岸に降りていこうとすると、「熊が出没中のため立入禁止」となっていた。残念だが、仕方がない。今年は猛暑のため、山の中には熊の餌となるドングリの実が極端に不作のため、全国各地で熊が脅威となっているので、北海道もその例外ではなさそうだ。なお、近くの食堂で、活けアワビ丼をいただいた。コリコリして、美味しかった。



 次は、同じ積丹半島の神威岬で、日本海に向けて突出している高さ80mの岬である。その先端には、灯台があり、更にその先の海中にはロウソクのような岩が突き出ている。こちらも積丹ブルーの海の色が素晴らしい。もっと先に行こうとしたら、こちらも熊が出没しているからというので、「女人禁制の門」以降は、途中の「チャレンカの小道」を含めて立入禁止だった。海風が強くて、帽子どころか身体が吹き飛ばされそうなので、行けなくてよかったと思う。




 それから、最近は外国資本が席巻するニセコに向かう。途中は、紅葉や黄葉が色づくニセコ・パノラマラインを通る。ルスツ高原のウェスティン・ニセコホテルに到着した。ここは、至って豪華なホテルで、近くにはジェットコースターを備えた遊園地まであった。紅葉の木が青い空の色に映えて、実に綺麗だった。



 翌朝まず、京極噴き出し公園を見た。羊蹄山に降った雨水が清水として止めどもなく噴き出してくる所で、それを地元の方々が美しく整備しているから、心地よい。その近くで、白老牛の昼食をいただく。





 出発して洞爺湖に至り、サイロ展望台から湖を見渡す。小島がいくつかあり、なかなか良い景色である。湖を見ていて、振り返ると、なるほど、、、展望所そのものが、サイロに形をしていたので、笑えてきた。脇に遊覧ヘリコプターのヘリポートがあった。それに乗った人が相当な速さで飛び立ったかと思うと、あっと言う間に見えなくなった。



 予定では、大滝ナイヤガラの滝を見に行くことになっていたが、途中で熊の足跡が発見されたとかで、それは中止となり、代わりに昭和新山に案内された。平成26年に来た時と比べて、山頂近くに緑が少し生えてきた。


 次に、三階滝公園に行く。私は、ここを訪れるのは初めてだ。変化に富んだ綺麗な三段重ねの滝で、素晴らしい。特に最後の三段目の水の碧さが良い。滝の脇の紅葉が、青い空の下で秋らしく真っ赤に色づいていた。その晩は、登別温泉に泊まった。



 宿泊先の登別グランドホテルというのは、古き良き時代の大規模な旅館が発展したもので、建築にしても、装飾にしても、まだこんなものが残っているのかと笑えてくるほどだ。特に前日は、欧米風最新設備のウェスティンホテルに泊まったから、なおのことだ。でも、かつて高度成長時代最盛期の懐かしい旅館の雰囲気を味わうには、これでよろしかろうと思った次第である。


(令和5年10月16日著)
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