新聞によると、「クレジットカードの不正利用が急増している。2022年の不正利用額は前年比3割増の436億円と過去最大だった。サイバー攻撃や偽サイトで個人情報を抜き取る『フィッシング』被害の拡大が背景にある。・・・日本クレジット協会によると、不正利用額の9割超がカード番号の盗用による被害で411億円だった」(日本経済新聞2023年4月6日付け)
これを読んで、気にはなっていたが、自分はフィッシング詐欺には引っかからないから、まあ大丈夫だろうとタカをくくっていた。ところが、そうでもなかったから、ビックリしたのである。 先週中頃から、052つまり名古屋の局番から携帯あてに電話がかかるようになった。知らない番号だし、名古屋の友達は全て電話番号を把握しているので、これは不審電話だと思って出なかった。それが2日にわたって3回続いた後、自宅の固定電話にもかかってきたので、ますます怪しいと思って放置していた。 するとその翌日、いつものようにアマゾンで買い物をして、決済しようとしたところ、「このカードは使用できません」と出た。「あれあれ、わずか666円のことなのに、これはおかしい」と思ってもう一度試してみても、やはり同じだった。そこで、別のカードを使って、決裁を終えた。 その次の日、レストランで食事をし、カード決済をしようとして暗唱番号を打ち込んだところ、これについても「このカードは使えません」と出た。お店の人は、「署名すれば使えますよ」と言うので、それに従った。そして家に帰ってから、そのレシートに記してある03で始まる局番の番号に、電話してみたのである。 すると、「携帯に電話がありませんでしたか」と聞くので、私が「そういえば、052で始まる不審な電話が携帯に3回、固定に1回掛かって来ました。知り合いでもないし、振込め詐欺なら面倒だと思って無視しました」というと、「ああ、それです。では、担当のセキュリティ部門に代わります」と言って、女性が出てきた。 聞かれたのは「一昨日に、コボル何とかというところで、買い物されましたか?それも2回、各1万4,300円です」。私が「全く心当たりがありません」と答えると、続けて「実は、数日前から、東京ディズニーランドに対して、『このカードは、使えるか』という問い合わせが何回もありました。これは不正使用の典型的な手口で、これで使えるとわかると、続いて請求がどっと来てしまうのです、、、というわけで、ディズニーランドのときから、システムが感知して、それからずーっとモニターしていたのですが、このままでは被害が拡大しそうだったので、コボル何とかだけでなく、そもそもこのカードを利用できないようにしてしまいました」とのこと。うーん、、、何たることか、、、まさに、唖然とするばかりである。 私は「それは知らなかったですね、、、ありがとうございます」とまず言って「では、このカードは、もう使えなくなりますね、それで良いのですけれど、すると代わりのカードをいただけますか」と言うと、「はい。1週間後にお届けします」と話すので、「たまたま明日から海外旅行に出かけるので、あと1週間、遅らせてください」とお願いしたところ、「そのようにいたします」ということだった。 続いて言われたのは、「このカードでの決済が出来なくなりますので、これで毎月お支払いの電気ガス水道、保険、新聞や、良くお使いの通販などのクレジットカード情報を全て変えていただく必要がありますが、よろしいでしょうか」ということなので、「はい。もちろん分かっています」と答えた。面倒だが、被害防止のためにはやむを得ない。それで直ぐに、カードの変更に着手した。新しいカードが来るまで、とりあえず手持ちの銀行系カードを登録しようとした。 (1)アマゾン → インターネットで簡単に出来た。こういうところが、一流の所以か。 (2)東京ガス → インターネットで申し込んだ。直ぐにメールが来て、「クレジットカード払い登録の完了は土曜・日曜・祝日を除く、翌日または翌々日となります。また、クレジットカード払いの開始は、登録完了後の次回または次々回のご請求からとなります」とあった。まあまあスピーディだ。 (3)au→ やっとクレジットカード変更画面を出し、データを全て打ち込んで、「次」をクリックしたら、「ただいまシステムのメンテナンス中」と出て、ガッカリした。これは、、、三流の会社だ。だいたいこの会社、細かいページを作りすぎて、何が何だか全体像がさっぱりわからない。だから、注意が行き届かないのだろう。 (4)東京都水道局 → インターネットで申し込んだが、変更まで1ヵ月かかるという。一体どうして?専門のNTTデータなどに投げないで、、、まさか自分で審査しているのか、、、自治体らしいなぁ、、、時間がかかるわけだ。なぜこうなるのかと電話で質したところ、「前回の検針が3月なので次回の支払いが6月になるから、それで十分」だそうだ。なるほどと納得した。 (5)京成電鉄スカイライナー → 成田空港に行くのに早目に京成上野駅に着いたから、乗る電車の時刻を早めようとしていたところ、「このクレジットカードは使えません」と出た。この急いでいる時に迷惑なと思いつつ、大きな荷物を抱えて新しいクレジットカードの番号を打ち込んで、やっと通った。 (6)成田空港で、iPadのケーブルがないのに気が付いて、買おうとして新しいカードを出したところ、何とまあ暗唱番号が違っていた。数年も使っていなかったとはいえ、、私としたことが、、、仕方がないので、署名にした。 (7)新聞2社を変えないといけないが、日本出発までには間に合わなかった。毎月の引き落としだから、早目に対応しないといけない。 このうち(3)と(7)については、海外旅行先でやってみるか、、、セキュリティがしっかりしているWi-Fiでしないといけないが、、そんなものあるだろうか、、、旅行用のWi-Fiをレンタルするしかない・・・と思ったところで気がついた。ああーっ、まだ沢山あった。まあ、これらは自動引き落としされないから、日本に帰国してからで良いだろう。せっかくの海外旅行だから、しばし忘れよう。 (8)スーパー (9)nanaco (10)食事の配送2社 のうち口座引落しでないクレジットカード払いの1社 (11)日本航空と全日空 (12)プロバイダー(インターネット接続業者) (13)Google Play (14)Apple この面倒な作業を新カードが届いたら、また繰り返すのかと思うと、げんなりする。でも、カード不正使用で何百万円も損をするトラブルに巻き込まれることを思えば、はるかにマシである。それにしても、何で私のカードがブラックマーケットに出回ったのだろうか。それが問題だ。 不用意にカード番号を打ち込むことはなかったから、フィッシング詐欺ではない。通信の過程で漏れたとしても、それは私にはあずかり知らぬ話だ。また、お店の人にカードを預けることは、、、、特定のレストランで数回あったが、それ以外ではない。まさかあの老舗で漏洩するものだろうか、、、分からない。そのほかの可能性としては、倒産した会社からの漏洩というのが考えられないわけでもない。 私は、この数年、とあるアメリカの通販会社で良く衣服を買っていたが、残念なことに昨年末に撤退してしまった。仮定の話として、例えば反感を持つ従業員が持ち出してそこから漏洩したとしたら、、、出来過ぎのストーリーか、、、でも、あり得ないわけでもない。埼玉県の特定の地域で新車の窃盗事件が頻発した。調べてみると、どの車も同じ車販売店から購入したもので、倒産した際に車のキー番号が書かれた顧客情報が持ち出されて次々に車が盗まれたことが分かった、、、ということかなと邪推はとめどもなく拡がる。 そもそもクレジットカードなるものは、特にインターネットが普及してからというもの、あたかも財布を世間に「どうぞ使ってください」と投げ出しているようなものだから、常々、カード利用記録を見るようにして、注意を怠らないようにしたい。そうした消費者側の対策だけでなく、業界としても「複数の方法で本人認証する国際的な規格『EMV―3Dセキュア』の導入や、スマートフォンのショートメッセージサービス(SMS)に数字を送って確認する『ワンタイムパスワード』を求める」という対策が進められていると聞く(前出の日経新聞)。それやこれやで、安心して使える環境を整えていってほしいものだ、 ともかく、皆さん、クレジットカードの不正利用をされないよう、気をつけましょう。 【後日談1】 上記(3)auについては、海外旅行中に信頼できるWi-Fiを利用して、「My au」に繋げてクレジットカードの変更を行った。手続をした翌月からの引落しになるようだ。 So-netもあったので、そちらもマイページからクレジットカードの変更を行った。KDDI請求にしてあるので、それと連動するようだ。 上記(7)朝日新聞は困った。アプリ内にはクレジットカード変更のボタンがない。そこで次のメールを送った。「海外旅行中です、クレジットカード会社から不正利用の知らせが来たので、そのカードを使わせないようにして、5月初旬の帰国後に新しいカードを再発行してもらうことにしました。支払日が5月1日なので、それまでの間、別のカードを朝日新聞デジタルから登録しようとしました。ところが、登録情報の確認変更欄に、クレジットカード情報の変更のボタンが見当たりません。これは、海外旅行中だからでしょうか?どうすればよいですか?」 すると、3日経って返事が来て、「アプリ内ブラウザでは「お客様サポート」画面からクレジットカード情報変更のお手続きをいただくことができません。下記URLよりブラウザ版にアクセスのうえ、お手続きをお願いいたします」とのことで、直ぐに変更できた。 https://digital.asahi.com/my_menu/ 上記(7)日経新聞についても、ホームページのどこを見てよいかわからない。そこで上記の朝日新聞と同じ文章に「ちなみに、私の住所を担当する販売店は、本郷御茶ノ水です。」と付け加えて送った。すると、直ちに同販売店から、次のアドレスで変更してほしいとの連絡があった。これを開いて打ち込んだら、簡単に終わった。 https://regist.nikkei.com/support/ このうち、海外旅行中でもやってみようと思って試した。まず(8)のスーパーは、数クリックで、あっという間に終わった。(9)nanacoについては、アップルペイでチャージしているので、アップルペイにカードを追加することで事足りた。(10)は、ホームページにアクセスして簡単に終了した。 (11)は、ホームページから簡単にできた。(12)はマネーを買うことで対応した。(13)と(14)Appleは、終わった。参ったのが、旅行社だ。実は海外旅行のために予約金を支払っていて、それを取り消したいと思ってその支店に行ってみた。その前に、利用停止となったクレジットカードに対する返金は可能かと、そのカード会社に問い合わせたところ、「使えないが、返金を受け入れることはできる」と確認した。それで旅行会社の支店に行ってみたのだが、係員が電子端末に入力しようとしたところ、「使用不能です」と出た。それで、係員がカード会社に電話して確認した上で、持ち出してきたのが何と旧式の印字機である。おもむろにそれを使って返金作業となった。大丈夫か??? こういう一連の作業を終えるのに、2週間かかったが、また新しいクレジットカードに切り替えて戻さないといけない。面倒だが、やむを得ない。 【後日談2】 1ヵ月後にクレジットカードの明細記録がきた。それを読んでいると、確かにコボル何とかの引き落としがあった。ところが、聞いていた話と少し違う。1万4,300円が2回ではなく1回で、もう一つは、8,800円となっている。しかも、1万4,300円の方は同額が返ってきているが、8,800円はそのまま、つまり私の負担となっている。 「これは、おかしいのではないか」とカード会社に電話した。すると、内部であれこれ検討しているようで時間がかかったが、返答は「内容を精査して、1ヵ月以内に書類で返答させていただきます」ということだった。 それから1週間後、たまたまテニス中に電話があった。iWatchで出たので、すぐに掛け直すと言って、プレーを中断してもらい、電話をした。すると、「1万4,300円については、お店から取消しがあり、返金もされています。ところが、8,800円の方は、返金されておりません。しかし、これは当社の負担で、お客様の口座に振込みさせていただきます」ということだった。とりあえず御礼は言ったが、何か釈然としない。 (令和5年4月20日著、5月12日及び31日追加) (お願い 著作権法の観点から無断での転載や引用はご遠慮ください。) |
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