上野公園の入り口の左右に大寒桜(おおかんざくら)があり、例年そこにメジロが来るので、それを撮ろうとして早朝に自宅から歩いて行った。すると、大寒桜は満開だったが、いつもの年と様子が異なる。まず向かって右の大寒桜の下には、事もあろうに喫煙スぺースが設けられている。煙草の煙がもうもうとしている中に、メジロが来るはずがない。早々に諦めた。 それでは、左手の大寒桜はどうかと思って近づいた。ところが、鳥など、どこにもいない。これは当てがはずれてしまった。仕方がないので、ピンクの桜を撮っていると、しばらくして「チチッ、チチチッ」という鳥のさえずりが聞こえてきた。「あれれ、メジロが鳴くなんて、そんなことがあるのか」と思いながらそちらの方を見上げてみると、「あれは・・・なぁーんだ。スズメではないか」とがっかりした。スズメには申し訳ないが、これでは写真にはならない。 外国人の中には、有名なベルツ(ドイツ人)がいた。明治9年(1876)ベルツは東京医学校の教師として来日し、日本の医学の発展に貢献した。ベルツは不忍池を愛し、日本の自然を愛した。(以下略)」 今や全く俗っぽくなっている上野公園はあまり好みではないが、私もこの新型コロナウイルス禍でも、どういうわけかほとんど毎日、不忍池には出かけている。お店が集まっている湯島や御徒町への道すがらではあるが、この池は、どこか心地よい。それこそベルツ並みに私も「不忍池を愛し」ているのかもしれない。野鳥がいるボート池も好きだし、蓮池は特に蓮のシーズンには神秘的な魅力があるし、池の真ん中の弁天堂は、昼間はもちろん夜景も良い。 (令和2年2月25日著) (お願い 著作権法の観点から無断での転載や引用はご遠慮ください。) |
(c) Yama san 2021, All rights reserved