1.新宿中央公園 もう2月も下旬になる。新型コロナウイルスの緊急事態宣言が再度出され、更にそれが1ヶ月延長されてから2週間余り。3月7日の期限までにこの感染第3波が終息するかどうかが、目下最大の世間の関心事となっている。 実はそれとは別に、1ヶ月ほど前、運悪く家内が骨折して入院することになった。それで、まだ完治していないにもかかわらず、急性期が終わったということで、その治療半ばにしてリハビリテーション病院に転院させられた。この新型コロナ禍の下で、そのように家内を入院させたり転院させたりする手配は、実に大変だった。病院とのその交渉だけではなく、高額医療費の限度額適用認定証、介護保険の認定、保険の請求手続等があっただけでなく、挙句の果てに万が一の場合の有料老人ホームの見学など、いやはや疲れ果てた。緊急事態再宣言どころではなかったのである。 2.文京区清和公園 次の日も、4月並みの暖かさの良い天気だったので、ネットで東京の河津桜を調べたところ、近くでは本郷の菊坂の近くの清和公園に河津桜が何本かあるそうだ。ここなら、自宅から30分もかからない。それで、東大の本郷キャンパスに沿って菊坂まで行き、その公園に着いた。それは、樋口一葉旧居跡のすぐ傍だった。 あるある。たった数本だが、早咲き桜が満開だ。ピンク色が強い。でも、まるで箒を逆さにしたような面白みのない樹形が、あまり美しくない。ああ、これは間違いなく河津桜だ。それを撮っていた女性が、桜を指さして私に「ほらほら。メジロが」と教えてくれた。本当だ。メジロの若鳥が、せっせと桜の蜜をついばんでいる。それがまた、動きが早いし、逆光だし、回りの桜の枝が邪魔になってなかなか上手く撮れない。 3.新川千本桜 更にその次の日、今日は予定がない。朝から晴れている。そこで、近くに河津桜がないかネットで調べたところ、江戸川区の新川千本桜というのが見つかった。都営新宿線の船堀駅から歩いて10分もかからない。しかもこの日は休日なので、電車はガラガラだろうから、新型コロナウイルスも安全だ。それで行くことにした。家を出てみると、強風だ。震えあがるほど寒い。あわてて引き返してもう少し厚着をして出かけた。 千代田線のお茶の水駅で都営新宿線に乗り換える。これを新宿方面に行けば家内のいる初台で、今日はその反対方向である。車内にはあまり人はおらず、一つの長いベンチシートに2〜3人しか腰を掛けていない。これなら安全だ。10駅目に船堀駅に着いた。2007年3月に、こちらの駅前のホールで開かれていた日本観賞魚フェアに来たことがあるので、それ以来だ。 「新川は、天正18年(1590年)、江戸城に入った徳川家康が千葉県の行徳までの塩の船路開削を命じ、道三堀・小名木川と同時に開削。以来、新川は江戸市中に様々な物資を運ぶ水路、行徳の塩を運ぶ『塩の道』として多くの人に利用されるとともに、沿川には味噌や醤油を売る店や料理店などが立ち並び賑わいを見せていました。 現在では、鉄道や車などの移動手段が変化したことや、水門で区切られたことで船の就航はなくなりましたが、都市空間の中の貴重な水辺として活用されています。また、平成6年から平成19年まで護岸の耐震・環境整備を東京都が実施し、新川橋から東水門までを除く約2キロメートルを整備しました。その後、区が都の未整備箇所の整備をするとともに、新川の両岸の遊歩道に桜を植樹し、江戸情緒あふれる街並みとして整備する『新川千本桜計画』を平成19年4月からスタート。平成23年度に一部見直しを行い、平成26年度には、耐震護岸整備及び遊歩道整備が全川3キロメートルにわたり完了しました。春には20種、718本の桜が遊歩道を行き交う人々の目を楽しませています。」 (令和2年2月25日著) (お願い 著作権法の観点から無断での転載や引用はご遠慮ください。) |
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