悠々人生エッセイ



令和3年の年賀状




 今年は地球規模での新型コロナウイルス禍のせいで、ステイ・アット・ホームを実践しなければならず、海外旅行などとんでもないという新年を迎えた。そのせいで、というかそのおかげで、皆さんからいただいた年賀状をじっくりと拝見する時間があった。そこで、ついでにその文面を文字にして、次のように記録しておくことにした。こうしてみると、我ながら素晴らしい友人、先輩後輩の皆さんに恵まれたものだと、つくづく幸せを実感している。これらは、どれも甲乙つけがたい文面だが、中でも私が感銘を受けたのは、次の2作である。

 ◎ コロナ禍の中、昭和20年終戦が近づく頃、毎日のように見舞われた空襲の日々に、母が交わしていた「御無事でしたか」の挨拶を思い出します。 (大先輩の作)

 ◎ やすらけき明日を信ぜと三密の言葉日に日に重くなりゆく (親友の作)


 なお、上の写真は、私がお送りした今年の年賀状の雛型である(送付先によって、変えることがある)。例年は、前年に行った旅行の代表的写真を4枚載せるのを常としているのだが、今年は2月の初めの台湾の旅行の写真しかないので、寂しい限りである。その代わり、記念の大綬章親授式の写真を左上に掲げさせていただいた。右上のコロナ禍の蓮の写真は、緊急事態宣言が出ている中でも、こうして不忍池の蓮が例年通り美しく咲いているということに感激したものである。




【コロナ禍の近況】

◎ 昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で行動の自粛を迫られ、近隣の散歩などでなんとか体力の維持を図ってまいりました。

◎ コロナ禍の中、昭和20年終戦が近づく頃、毎日のように見舞われた空襲の日々に、母が交わしていた「御無事でしたか」の挨拶を思い出します。

◎ 在宅の時間が増え、ジム通いや農園通いで日々を過ごしてきましたが、多くの方と直截お会いする機会がめっきり減りました。何とも寂しい限りです。

◎ 近くに住む娘一家も含め近しい人々との行き来も極力控え飼い猫に生活のリズムを支配されつつも夫婦二人して何とか元気に日々を過ごしております。

◎ 昨年はコロナによる自粛に加えて腰の手術・リハビリでゆっくり外出することができませんでした。今年はその分までのびのびと動き回ろうと思っています。

◎ コロナはなお世界中で猖獗を極めています。毎年参詣している明治神宮に幸先詣でをいたしました。コロナもやがて終息し、"新しい時代゛が到来すると思われます。健康で長寿を迎える素晴らしい百歳時代を楽しみにしています。

◎ コロナに明け暮れた旧年でしたが、いかがお過ごしでしょうか。もともと仕事は自宅でするのを生活スタイルとしていた私の場合は、特に生活のリズムに変調をきたすということもありませんでした。重苦しい気持ちから早く解放されることを切望する毎日です。

◎ 1年前には思いもかけなかった地球規模のコロナ蔓延。人間の営みについて、何か滑稽なような、はかないようなものを感じざるをえません。日本を含め各国の為政者が人類愛というレトロな言葉をもう一度思い出し、少しでもより賢明な施政を展開されんことを祈るのみです。

◎ リタイヤ後、年々行動範囲が狭くなってきている中での新型コロナ故、昨年は越県することも公共交通機関を利用することもなく過ぎていった1年でした。私のことはとも角、日本のみならず世界中の人々が閉じこもらざるを得ない状況は早く何とかならないかと願いますね。新型コロナ、しばらくは続くと思いますので、くれぐれもご自愛ください。



【退職後の近況】

◎ 新しいカメラを入手し操作を覚えるのに四苦八苦しています。

◎ 退官後、「孫管理業」に就きまして、楽しく過ごしております。

◎ 退職しました。人生百年、どうする? とりあえず体力つくりと雑学に勤しんでいます。

◎ 気楽な遊び人をやっています(その前の年は、気ままな年金生活で、油彩、旅行それに下手なゴルフをして楽しんでいます)。

◎ 昨年は、前半が疾風怒濤の毎日、後半は打って変わってのんびりしたのどかな日々という、変動の大きな1年でした。コロナ禍のため、退官後楽しみにしていた海外旅行もままならず、やむを得ずおとなしい日々を過ごしています。

◎ 71歳を超すとあちこちガタが来て、網膜の血管が詰まってみえにくくなったり、不整脈が出て心臓の手術を受けたりしたものの、今年は誕生日を含めて7回目の丑年ですので、健康に過ごしたいと思います。コロナの早期終息とともに皆さまのお幸せをお祈りしております。



【和歌などを詠む】

◎ 三世代三食囲む去年今年

◎ 霧晴れて 紅葉輝く 飛騨の朝

◎ やすらけき明日を信ぜと三密の言葉日に日に重くなりゆく

◎ ドビッシーの妖しき和音紡ぎつつピアノと遊ぶ巣籠もりの夏

◎ 牛は力いっぱい地面を蹴って
  自分を載せている自然の力を信じ切って
  のろのろだががっちり がっちり歩いていく
            (高村光太郎の詩より)

◎ 君知るや隼町に七不思議のあることを。そのうち3つをご紹介。@魔法の歩道、A長寿庵の所在、B数学を弄ぶ奇矯なる司法官



【そのうち一献】

◎ お会いしたいです。コロナに気を付けながら、一杯やりましょう。

◎ ご退官の挨拶状をいただきながら、声もかけず失礼しています。そのうちにお会いしたく。

◎ 先日はご丁寧なお手紙を頂戴しありがとうございました。いずれ状況が改善したら、集まりたいですね。



【身近な生活】

◎ 孫が3人から5人に増えた。

◎ テレワークが7割の生活です。

◎ 京都町屋の屋根の上の鍾馗が面白い。

◎ 我が家の愛猫「のん」は今年8歳になる。

◎ 印鑑のつきすぎで腕がすっかりおかしくなりました。

◎ 務めて笑顔を絶やさず、穏やかに語り、快活に過ごしたいと思います。

◎ 会津の三泣き、@初めて来た人にはよそ者に対する厳しさに泣き、A慣れてくるとあたかな心と人情に泣き、B去る時には離れることの辛さに泣く。

◎ 自宅近くの北山の山歩きと夙川沿いのウォーキングが午前の日課です。体重が60kg台になりました。登録有形文化財「ヴォーリーズ六甲山荘」のボランティアガイドを月2回続けています。



【叙勲のお祝いなど】

◎ 昨年はおめでとうございました。後輩として誇りに存じます。

◎ 昨年の大綬章 誠におめでとうございました。私どもの誇りです。

◎ 賀状の写真、カッコいいですね。「自然」とまさにWithの日々です。

◎ 良識という日本語が死語と化した最近の日本。貴殿のご発言に勇気付けられます。

◎ 「特許三極会合の思い出」を拝読しました。お写真がとてもお若いですね。同じ「審議室長」でも、こうもちがうものかと先輩尊敬の念を新たにしました。



【前を向く人2種】

◎ 今年は水素の Golden Age 元年です。

◎ 私も昨年で後期高齢者となり、本年をもちまして年始のご挨拶を失礼したいと思います。








(令和3年1月3日著)
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