悠々人生エッセイ



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 せっかく再挑戦までしてようやく入手した東京五輪のチケットだったが、最近の新型コロナウイルス禍の第3波の到来により、あと7ヶ月で東京五輪が通常通り開催されるとは、とても思えなくなってきた。国内の感染者数は12月に入って連日のように最高を記録しているし、欧米ではもっと早く10月頃から第3波が始まり、今や猖獗を極めている。


 頼みのワクチンといえば、開発が最も早く進んだ米ファイザー製のワクチンがようやく来週の12月15日頃から米国内で投与されるそうで、まず290万人分が用意されるという。米政府は来年の前半中にでも全国民に行きわたらせたい意向のようだ。しかし、本来は10年はかかるというワクチン開発を1年にも満たない期間で行って、しかもろくな臨床試験も行われていないというのであるから、世論調査では積極的に受けたいという人と、副作用を恐れて慎重に考えたいという人が半々である。集団免疫を獲得するには70%の人がワクチンを接種する必要があるというが、このままではその目安が達成できそうもない。

 アメリカですらそうなのであるから、ましてや他の国で、東京五輪が開催される来年7月までにワクチン接種を終えるなどということは、まず考えられない。しかも、東京五輪を開催されるには、各競技につき予選を行わなければならない。卓球などいくつかの競技はやっていると聞くものの、全ての競技についてできないことは明らかだ。

 この調子では、来年7月の東京五輪は、たとえ無理して開かれたとしても、競技の数は絞られ、しかも無観客で行われるのではないかと考えられる。私も既に高齢者の域に入ってきて、新型コロナウイルスに罹患すると命が危ないという年齢だから、観客として観るのはやめようという気になった。そういうとき、10月30日、組織委が大会延期に伴う希望者への払い戻し実施をするという公表を行った。



 これを受けて、組織委から「東京2020観戦チケット 大会延期に伴う希望者への払い戻し実施について」というメールが来た。要は、「大会が一年延期になったことで来場が困難になってしまった方について希望者への観戦チケットの払い戻しを実施する」というのである。

【重要なご連絡】東京2020観戦チケットー大会延期に伴う希望者への払い戻し実施について

11月2日(月) 18:08

〇〇 〇〇 様

 現在、2021年の大会開催に向け、チケットをお持ちの皆様に安全な観戦の機会を提供できるよう、組織委員会一丸となって準備を進めております。

 既にご購入いただいている観戦チケットは、原則そのままご利用いただけます。

 一方で、大会が一年延期になったことで、残念ながら来場が困難になってしまった方につきましては、希望者への観戦チケットの払い戻しを実施させていただきます。

【大会延期に伴う希望者へのチケット払い戻しの概要】

 東京2020観戦チケットの払い戻し申請手続は、公式チケット販売サイト内の「マイチケット」にてお願いします。なお、払い戻しは購入者本人に限ります。  ( 中 略 )

【払い戻し登録申請手続期間】

 オリンピックとパラリンピックで申請期間が異なりますのでご注意ください。なお、期間外の申請および申請完了後の取消はできませんので払い戻し申請手続の際はご注意ください。

 オリンピック:  2020年11月10日(火曜)未明 〜 2020年11月30日(月曜)午前11:59

 パラリンピック: 2020年12月1日(火曜)未明 〜 2020年12月21日(月曜)午前11:59

【返金方法および返金時期について】

 チケット購入時に選択されたお支払い方法によって返金方法や返金までの所要日数が異なります。

 今後、新型コロナウイルス感染症の影響により東京2020組織委員会が観戦の機会を提供できなくなった場合は、別途、払い戻しを実施させていただく予定です。

 なお、観客の新型コロナウイルス感染症対策に関しては、 11月の東京オリンピック・パラリンピック競技大会における新型コロナウイルス感染症対策調整会議などにおいて、今後検討を行う予定ですので、適宜ご案内させて頂きます。 新型コロナウイルス感染症対策も含め、引き続き安全な大会の実現を目指して準備を進めていきます。

 ご理解賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。


 私はこのメールをしばらく放置しておいて、新型コロナウイルスの感染状況を見ていたが、ますます拡がりつつあったので、ついに申込み期限ギリギリの11月30日の早朝、観戦チケット払い戻し申請を行い、それが完了した。それが、次のメールである。ああ、誠に残念至極だが、身を守るためには仕方がない。ちなみに、12月3日の新聞報道によると、組織委は「11月10日から30日までのこの払戻し期間の対象枚数が81万枚になり、これは国内向けの販売済み445万枚の約18%に当たる」と述べたとのこと。

[東京2020オリンピック] 観戦チケット払い戻し申請完了のお知らせ

〇〇 〇〇 様

 東京2020オリンピック 公式チケット販売サイトをご利用いただきありがとうございます。
 東京2020オリンピック 観戦チケットの払い戻し申請を承りました。※払い戻し申請完了後の申請取消は承れませんのでご了承ください。

【払い戻し登録申請内容】

 払い戻し申請番号 : ・・・・・・・・
 注文番号 : ・・・・・・・
 申請完了日時 : 2020年 11月 30日 06:58 (JST)
 セッション数 : 1 セッション
 チケット数 : 2 枚
 返金金額 : 20,000 円(税込)
 返金方法 : Visaカード返金
  ※返金方法によって返金までの所要日数が異なりますのでご注意ください
  ※2020年12月下旬以降(予定)より順次、返金の手続を開始いたします
  ※Visaカードでの返金方法や時期はVisaカード発行会社により異なります。詳しい方法や時期についてはご契約のカード発行会社へお問い合わせください。
  ※金融機関口座を登録する場合は、購入者ご本人名義(購入時に登録した氏名)の金融機関口座へ返金となります。
  ※婚姻などの理由により、『購入時と同じ名義』の口座をお持ちでない場合は、東京2020チケットカスタマーセンターに個別にご連絡ください。

 払い戻し申請内容の詳細は、東京2020オリンピック 公式チケット販売サイト内の「マイチケット」からご確認ください。





【後日談】

 その後、令和3年2月10日、切符の代金は、特に連絡もなく、支払いを行ったVisaカードから銀行口座にそっと振り込まれていた。





(令和2年12月13日著、令和3年2月10日追加)
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