1.α7IIIを選ぶ
最近のカメラの世界は、まさに劇的な変化を遂げている。半世紀以上も続いたフィルムカメラから、今世紀に入ってデジタルカメラの時代になり、更に一眼レフからミラーレス一眼へ移行するようになったかと思うと、撮像素子が大きくなってAPSーC(23.4mm×16.7mm)から35mmフルサイズの時代へと、急速に目まぐるしく進歩している。実は私も、この流れに沿ってカメラを買い替えてきた。最近では初めて発売されたミラーレスのデジタル一眼であるオリンパス・ペンE−P1とそれに続くE−P3、そして一眼レフではあるがデジタルで本格的APSーCのEOS 70Dである。それぞれに味があって、写真を撮るのを充分に楽しませてもらった。
昨年秋から今年春にかけて、キヤノン、ニコン、ソニーの主要3社から、35mmフルサイズのデジタル一眼カメラが出揃った。キヤノンはEOS R(又はRP)、ソニーはα7III(又はα7RIII)、ニコンはZ6で、本年5月初旬のお値段は、それぞれEOS(19万円、14万円)、α7(21万円、30万円)、Z6(21万円)だった。
私の持っているデジタル一眼レフカメラ(EOS 70D)は、そろそろ4年目になろうとする。仕事が一段落する今年の秋から重点的に海外に出掛けて景勝地の写真を撮るつもりだが、このカメラはそれには嵩張るし、やや重たく感じるようになった。また、せっかくなので、良い風景写真は、フルサイズで撮りたい。そういうことから、上記3社のカメラから選ぼうと考えた。まず、ニコンはあまり馴染みがないし、性能が変わり映えしない割には値段が高い。ということで、キヤノンかソニーかの選択になる。
いまキヤノンのEOS 70Dを持っているから、スムースに移行するにはEOS RPが一番だ。キヤノン風のボタン操作にも慣れているし、上記機種の中では、価格が最も安い。ただ、現在3本持っているレンズのうち、フルサイズ対応は1本だけだし、気に入っているタムロンのレンズは残念ながらAPSーCであって、フルサイズではない。フルサイズの画像をクロップすれば使えなくもないが、結局はAPSーCサイズになるから意味がない。EOS RP側も、それ専用のレンズは、実質的にまだ1本しかない。キヤノンはこの分野に手を付けるのが遅かったので、レンズの品揃えでは大きく後手に回っている印象だ。
それなら、レンズ資産もたくさんあって今後も使いそうなメーカーを選ぶべきで、それはソニーである。カメラメーカーの中で最も早くフルサイズに取り組んできたから、フルサイズのミラーレス一眼対応レンズ(Eマウント)の種類が豊富である。そうすると、α9は私にはオーバースペックだから、α7III又はα7RIIIということになる。それぞれ21万円、30万円か・・・発売が昨年3月と今年2月というだけで9万円の差となっているが、実をいうと、この2つのカメラには素人にとってさほど性能面での違いはないと思っている。もちろん、2420万画素と4200万画素というのは大きな差であるが、4200万というのはあまりに大き過ぎて、私には扱いかねる。それに、元々ソニーのカメラを使っていればレンズに投資をする必要がないので、α7RIIIを選ぶところだが、今回の私の場合はカメラとレンズの両方を買わなければならないので、今回はα7IIIを選択して、その分をレンズ資産への投資に回そうかと考えた。どうせ、今回買うカメラをまた買い換える数年後には、もっと良いカメラ本体が発売されるので、その時に奮発すればよいと思った。
2.レンズを2本選ぶ
では、レンズはどうしようか・・・APSーCでタムロンの18-300mmレンズが非常に使い勝手が良かったので、フルサイズでそういうものは・・・あるわけがない。探したところ、ソニーのズームレンズ FE 70-300mmというものがあった。15万円もするが、これにしよう。次に70mm未満をカバーする適当なレンズはないかと調べたら、タムロンの レンズ (Eマウント)28-75mm がとても評判が良い。理由は、F値が2.8と、非常に明るいからである。先程の FE 70-300mmのF値が4.5から5.6なので、その明るさが際立つ。約10万円もするけれども、それだけの価値はある。
という検討を経て、カメラ本体を21万円で、レンズ2本を合計25万円で買うことにした。数年後にカメラを買い換えるときに、レンズの方は、そのまま使えるだろうと思っている。今回、購入したものの詳細は、下表の通りである。
さて、Amazonに注文したら、カメラ本体を含めてその大半を翌日に持ってきてくれた。箱から、カメラ本体を取り出すときが、無上の楽しみである。あれれ・・・本体はこんなに小さいのかというのが第一印象である。昔のオリンパス・ペンE−P1の時代に逆戻りしたかのごとくである。それに、別途注文したタムロンの レンズ (28-75mm)が届いたので、何かを撮りに行こう。ちょうど梅雨の晴れ間だから、紫陽花が良い。鎌倉の名月院に向かった。
3.名月院の紫陽花
北鎌倉駅に降り立ったのは、6月16日(日)午前9時20分である。名月院は、ここから10分もかからないと思ったのも束の間で、少し行ったところで「名月院の最後尾」という看板を持ったガードマンがいた。そこからズラリと人の列が続く。聞いてみると、30分は掛かるそうだ。仕方がないので、その列に並ぶ。延々と並んで、名月院の門をくぐったのが10時頃だった。
そこから、α7IIIを取り出して、紫陽花などの花を写し始めた。マクロモードにすると、背景がものすごくボケる。これは素晴らしい。人物のポートレートでは非常によく写ると思う。風景モードにすると、竹林や葉の緑と空の青さが際立つ。ソニーの撮像素子と液晶画面の色は本当に鮮やかだと感心した。
この日は本当に見物人の数が多かった。紫陽花の花半分に強い日光が当たっていることが多かったので、HDRで撮りたかったのだが、慣れないα7IIIのダイヤルをいじくっているうちに後ろから押されるという具合で、十分に試し撮りが出来なかった。特に残念なのは、有名な丸窓を上手く撮れなかったことである。今しばらく時間があれば、何とかなったのに、あれだけ混雑が酷いと、ゆっくりしていること自体が迷惑なので、さっさとその場を離れた。やはり、日曜日なぞに鎌倉へ行くべきではない。
そのほか、α7IIIについて感じたことは、まずシャッターが軽い。その上、シャッター音をサイレントモードにしておくと、果たして押せたのかどうか、あるいは何枚撮ったのかが全くわからないほどだ。一眼レフの、あのEOS 70Dのカシャカシャという連続シャッター音に慣れた身としては、これは凄いとしか言いようがない。次に、スイッチを入れると画面に被写体が映る。それを見て撮るのは、昔のオリンパス・ペンE−P1と同じだ。ところがE−P1にはなかったファインダーがα7IIIにはあり、それを片目で覗き込むと、自動的に画面がオフになるという仕組みで、これは便利だ。もう一つ、E−P1の画面は、現実の被写体とタイムラグが生じて、動きの早いものにはなかなか付いていけなかった。その点、このα7IIIではそういうフラストレーションを感ずることはなかったので、これも大きな進歩だと思う。
反面、気温30度の下で2時間ほど連続して撮っていると、α7IIIの躯体が熱を帯びてきた。ああ、これはE−P1と全く同じ現象だ。一眼レフではこんなことはなかった。やはり、通常の撮影では、画面は使わずに、ファインダーを覗いて撮るべきだろう。また、α7III本体は565gと軽いが、このタムロンの レンズ (28-75mm)は550gで、この組み合わせだとバランスが良くて持ちやすい。ところが、ソニー のズームレンズ (FE 70-300mm)は854gだから、これを付けるとレンズがずっしりと重い。まるでカメラというよりレンズを持ち歩いているようだ。まあ、そのうちに慣れるだろう。
名月院の紫陽花( 写 真 )
4.代々木公園のイベント
今度は、動きのある被写体でソニーα7IIIを試すつもりで、先々週のベトナムに引き続いて踊っている人を撮ろうと、代々木公園で開催中の「エジプト・フェスティバル2019」に行ってみた。フェスティバルのオフィシャル・アカウントを見たのだが、当日のタイム・スケジュールが見当たらない。仕方がないので、出演するはずの舞踊団のHPを見たら出演は12時、2時、4時だとわかったので、先週と同じく屋外ステージだろうと思って、午後2時に間に合うようにイベント広場に向かうことにした。
広場に足を踏み入れたところで、確かにイベントをやっていたのだけれども、どうも様子がおかしい。エジプトとは全く関係がないようなのである。背の高い黒人男性やエネルギッシュな黒人女性が、跳びはねて何やら踊っている。ああ、これは、サルサだ。間違いない。周りを見渡すと、サルサ料理やモヒート、ラム酒やテキーラなどを売る屋台が並ぶ。後から調べてみたら、「サルサ・ストリート・フェスティバル」だった。サルサダンスのパフォーマンスや特設ステージではラテンフィットネスをやっている。陽気な雰囲気がこれでもかとばかりにまき散らされている。これは場違いなところに来てしまったと思いつつ、屋外ステージの方に向かった。
その屋外ステージでは、日本人の女の子2人が、楽器を演奏して歌っている。その場馴れしている様子からして素人ではないし、エジプトに関係する音楽でもなさそうだ。それが直ぐに終わり、ステージを片付けて次の出し物の用意だ。もう2時になるので、エジプトの踊りかと思って待っていたところ、出てきたのが、日本人の女の子だ。それで、「ワールドグルメ&ミュージックフェスタようこそ。」などと言うので、やっとここではないと気が付いた。
何とも間が抜けた話だが、いずれにせよ今日はソニーα7IIIとソニー のズームレンズ (FE 70-300mm)を使った動きのある被写体の試し撮りだから、実は被写体にはこだわらない。では、この歌手のお嬢さんを撮らせてもらうことにした。申し訳ないが、お名前はわからない。ただ、お年は32歳とのことだった。それにしても、この子、よく歌って動く。
プログラムの「P」モードにして動きの少ない場面を、「シーン」モードのスポーツにして飛び上がる場面をそれぞれ撮ってみたところ、良く写る。次に、初めて「ビデオ」モードで撮ってみた。すると、パソコンで見ないとわからないが、まあ映っている。4Kだそうだ。家に帰って見てみたら、映像も音声もしっかり撮れている。これは、ビデオカメラとしても充分に使えそうだ。ただ、いきなり撮ると当然焦点は合っていないから、写真を撮る要領で合焦してからビデオボタンを押すとよいらしい。
ということで、ひとしきり歌手のお嬢さんを撮らせてもらって、少しはカメラに習熟したつもりである。それにしてもこのカメラ、例えば、顔の皺など、恐ろしいくらいに細かなところまで写る。もちろん動きのない人物を撮るにはそれなりの「人物」モードで撮るから、顔の皺などはデジタル的に処理されて消されると思うが、それにしてもこの「P」モードは、写りすぎである。
さあ、帰ろうと思ったところで、「エジプト・フェスティバル」をようやく見つけた。欅並木の方で開かれていた。特設ステージというのも、ごく小さな慎ましやかなものだから、遠くからはわからなかったのは仕方がない。その小さなステージで、多くの人たちが手と腰を振り振り、これまた陽気に踊っていた。ちなみに、この日は、「サルサ」、「グルメ&ミュージック」そして「エジプト」の3つのフェスティバルが、仕切りもなく隣合って開催されていたのである。
帰りには、代々木公園内を通ったので、満開の薔薇、紫陽花、サルビア・ガラニチカ、百合の花を撮ってきた。このズームレンズ (FE 70-300mm)の望遠端で撮ると、当然ながら面白いように花の周辺がボケて、花が浮き出るように見える。最短撮影距離は1mである。
5.サンシャイン水族館
さて次の撮影の練習の場として、難易度が高い水族館に行くことにした。水槽の中の魚のうち特に熱帯魚の場合は早く動くので焦点を合わせにくいし、ほかの魚も水槽が暗いことが多いので、これまた撮りにくい。自宅からほど近いサンシャイン水族館を選んだ。
まずは、大水槽の中の魚である。最初に出てきたのは、「コブダイ」である。これは、ゆっくりと動いてくれるし、物おじせずに近づいてくれるので、撮りやすい。「Pモード」で大迫力の写真が何枚か撮れた。次は、これまた大型の「ナポレオンフィッシュ(メガネモチノウオ)」である。私はこの魚が大好きで、水族館に行ったら必ずその写真を撮ることにしている。
イカの仲間の展示があった。暗い中で、しかもイカの体は白く透き通っていて、焦点がなかなか合わない。あきらめて、隣の水槽にいた「コブシメ」を撮る。これもイカの一種なのだそうだ。それから、クラゲの水槽に行く。白い照明にしてくれれば撮れるのにそれは一瞬にすぎず、ほとんどが青い照明なので、あまり良い写真にはならなかった。ところが、この写真だけは、まあまあ見られる。「AUTO」モードである。
それからダイバーによる給餌の時間ということで、再び大水槽に戻る。女性ダイバーが餌をあげると、そこに熱帯魚が群がる。幻想的といってもよい。「AUTO」モードである。それから、私が好きなグレート・バリア・リーフの水槽に行く。こちらの熱帯魚は、動きが速いので「Sモード」の1/320秒で撮る。青い魚は「ナンヨウハギ」だ。これは動きが速くて、なかなか捕捉しにくい。方向転換をするその一瞬を捉えたのが、この写真である。色もちゃんと出ている。黄色い魚は「キイロハギ」だ。これも、かなりの速さであるが、しっかりと捉えられた。焦点合わせは、けっこう速いので、満足である。イソギンチャクに隠れた「カクレクマノミ」を撮ってみたら、うまく撮れている。これまでのカメラの中では、一番良いと思う。
屋外エリアに出て、天空のペンギンを見ようと思ったら、ペンギンではなくてペリカンが空中を泳いでいた。来た時間が悪かったようだ。それでも、ちょうど、アシカのショーが始まった。それを「スポーツ」モードで撮ったのだが、目の前の飼育員さんとアシカに焦点を合わせたつもりなのに、カメラが勝手に、その向こうにいる観客の目を検出してそれに焦点を合わせてしまうので、困ってしまった。これを止めさせることはもちろんできそうだが、そのためにメニューのボタンを弄くっていると撮るチャンスを逃すので、何とか撮り続けたが、性能が良いというのも、良し悪しだと思った。
前のカメラEOS 70Dと今のα7IIIと比較して大きく違う点は、撮像素子(イメージ・センサー)のクリーニング方式である。EOSの場合は、電源を入れたときと切るときの両方でクリーニング・モードが自動的に動き、カメラがブルブルと震えてクリーニングされていた。だから、クリーニングなんて、全く縁がなかった。ところが、α7IIIの場合はそういう自動で行ってくれる仕組みがないので、いちいちメニューを立ち上げて手動でクリーニングをする必要がある。それだけでなく、マニュアルによるとその度に電源を切ってレンズを外し、ブローアーで撮像素子の下側を吹きとばせというのである。やや、面倒なことになってしまった。
サンシャイン水族館( 写 真 )
6.不忍池の蓮
今年の梅雨は、しとしと降る雨が長く続いて、日照不足で野菜が「L」字型に曲がってしまって売り物にならず、野菜の価格が高騰するという有り様だ。せっかく新カメラの試し撮りをしようにも、雨が多くてはなかなかその機会がない。本当は雄大な景色や夜景を撮りたいのだけれども、ついつい手近な花や室内の水族館を撮って、お茶を濁すくらいだ。
6月末から7月にかけての季節は、紫陽花がほぼ終わって、蓮の花が咲く頃である。新聞記事によると、千葉市の千葉公園の大賀蓮、行田市の古代蓮の里などが有名であるが、ご承知の通り、蓮の花はわずか4日間の命であり、それも夜明け頃に咲いてお昼前にはもうあらかた閉じてしまうので、朝早く行かなければ間に合わない。ところが、私の家から行田市の古代蓮の里に行くには、片道2時間近くかかるので、毎年行こうとは思うのだけれど、面倒な気がして止めてしまう。それでも、昨年は埼玉県毛呂山町に蓮と睡蓮を撮りに行ったことがある。白い花びらに僅かにピンク色がかかった美しい蓮の花があって、それなりに楽しめた。
ところで、私の家は、都内有数の蓮の名所となっている不忍池(上野公園)の近くなので、朝早くても何とか起きて、蓮の花を撮りに行くことができる。7月7日と13日に行ってみた。まだ、蓮はさほど咲いてはいなかったものの、ズームレンズ (FE 70-300mm)の望遠端を使っても、雨に濡れた蓮の花びらに付いた水滴が、歪みもなく実に綺麗に写っていた。試しに雀、川鵜などの野鳥にもこのズームレンズを向けてみたが、早い動きにもかかわらずシャッター速度1/500ほどで美しく撮れた。肉眼では見えなかったが、蓮の花に向かっている蜂の姿まで写っていた。ただし、蜂がいたとは知らなかったので、単なる「Pモード」だった。
上の写真は、遠く離れている弁天堂と、手前の蓮の花を画面に同時に入れようとした。ズームレンズなので、このまま撮るとどちらか一方がものすごくボケてします。そこで、F値をかなり上げて22にして撮ってみたら、焦点を遠くの弁天堂に合わせても、手前の蓮の花がさほどボケないで済んだ。そういうわけで、このズームレンズは、なかなか使えることがわかった。唯一の欠点があるとすれば、どうしても画角が狭いということで、これは仕方がない。超望遠レンズの宿命である。。
不忍池の蓮( 写 真 )
7.ロボット・レストラン
新宿歌舞伎町のロボット・レストランに再び行ってきた。前回は、この悠々人生に「平成27年2月11日に行った。」と記録があるので、それから4年半も経っている。それで、まず全体の雰囲気はどうだったかというと、お客は、前回は日本人客が2割、外国人観光客が8割という割合だったが、今回はお客の大半が外国人観光客となってしまっている。これは、驚きだ。出てくるポップコーンのサイズも、日本の映画館のドリンク・カップのようなものではなく、まるでバケツのようなカップに入っている。これもアメリカの映画館並みだ。肝心の出し物はというと、全体の流れのようなものは、ほとんど変わっていない。でも、ロボットたちやダンサーの衣装などは、ほぼ全部が入れ替わっていて、ますます外国人が喜びそうなものとなっていた。
今回のカメラは、ソニーのα7IIIで撮ったのであるが、あの暗くて照明が様々な色へと千変万化するにもかかわらず、その割には非常によく撮れていたので、嬉しかった。本来なら、色々と諸元を調整して撮るべきなのだが、撮影条件が時々刻々変化するし、場面の展開が目まぐるしい中で細かい調整が不可能だから、仕方なくプログラム(P)モード一本やりで撮っていた。それでもカメラの性能がそうした変化に十分追い付いているから、かなり使える写真が多かったのは驚きだ。前回キヤノンEOS70Dを持って行ったときは、100枚撮った中で使える写真はわずか10枚にも満たなかったが、今回は100枚中80枚は、まあまあ見られる写真だった。これも、ソニーα7IIIがカメラとして如何に優れているかを示している。
ロボット・レストラン( 写 真 )
8.越中八尾おわら風の盆
さて、ソニーのα7IIIの試し撮りの最後は、「越中八尾おわら風の盆」である。おわらの鑑賞は、なんといっても夕方にそぞろ歩きをしながら町流しを観るところにある。ところが、明かりといえばボンボリ程度で余りにも暗い上に、おわらの踊りはゆっくりしているものの、それでも手などは早く動く。その中で従来のカメラを使うと、フラッシュなしで撮影をするのはほぼ不可能である。
現に、これまで2回にわたって写真を撮ろうとしてきた。1度目は2011年の「前夜祭」である。 そのときのカメラはオリンパスE−P3だったが、どれも真っ暗に写ったり、たまに撮れても幽霊のようにボケたりして、とても使い物にならなかった。2017年にはキヤノンEOS70Dを持って行って 「月見おわら」を撮ったが、これも少しはマシだったものの、総じて似たりよったりだった。でも、おわらには踊りの中で一瞬ポーズをとる場面があり、そのときはまあまあの写真が撮れた。しかし、肝心の踊りで動いている撮りたい場面が撮れないので、フラストレーションがたまった。そういう伏線がある上で、今回新しく買ったソニーのα7IIIとタムロン・レンズ 28-75mm F/2.8 Di III RXD を持っていったというわけである。さて、どうなるか。
私が最も感動したのが、「おたや階段」下の広場で午後8時から始まった「鏡町」の皆さんによる「おわら風の盆」である。 石畳が敷かれている小さな四角い広場で、その一角に階段の降り口と並んで「地方(じかた)」の皆さんが揃い、胡弓、三味線、太鼓をバックに朗々と「歌われよ わしゃ囃す」から始まって「越中で立山 加賀では白山 駿河の富士山三国一だよ」と続き、歌と囃子が続いていく。その途中で、三方から踊り子さんたちが出てきて踊る。哀愁あり、叙情あり、感動ありの芸術性の高い踊りである。それで、肝心の写真はどうなったかというと、次の通り、あの暗い中でしかも動く被写体を非常に良く捉えている。このカメラとレンズの性能には、とても満足している。なお、これらの写真は、次に添付している地方(じかた)の音楽や歌いと一緒に見ると、ますます情感が増す。
本場おわら風の盆( 写 真 )
本場おわら風の盆 (ビデオ)
今回購入したカメラと部品の構成
(1) ソニー (SONY )ミラーレス一眼 α7III ボディ ILCE-7M3 212,700円
(2) ソニー (SONY )ズームレンズ FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS Eマウント35mmフルサイズ対応 SEL70300G 150,309円
(3) ソニー (SONY) MCプロテクター 72mm VF-72MPAM 5,772円
(4) ソニー(SONY) 円偏光フィルター VF-72CPAM 12,850円
(5) ソニー (SONY) αレンズ用フード ALC-SH144 2,128円
(6) ソニー (SONY) SDXC メモリーカード 64GB Class10 UHS-II対応 @13,473円 2個
(7) ソニー α7III NP-FZ100 互換バッテリー 2個 + 充電器 7,599円
(8) Kenko 液晶保護フィルム ソニーα7III用 802円
(9) タムロン(TAMRON) レンズ 28-75mm F/2.8 Di III RXD 99,500円
(10) KENKO 67mm、PRO1D(タムロンのレンズ保護フィルター) 3,445円
(11) HAKUBA ドライボックスNEO 9.5L スモーク 防湿庫 KMC-40 1,482円
(12) HAKUBA レンズ専用防カビ剤 KMC-62 446円
合計 523,531円(こんなにかかってしまった。)
(令和元年6月19日著、4.は23日、7.は8月14日にそれぞれ追加)
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