去年の桜の季節には、今から思うと結構頑張って、あちこちの桜の写真を撮りに行った。皇居濠周辺と六義園の枝垂れ桜(昼夜)、国立劇場前の神代曙、千鳥ヶ淵、横浜三渓園、小田原城址公園それに愛宕神社の染井吉野、新宿御苑の八重桜、鎌倉の古刹の桜に塩山の桃の花と桜である。我ながらよく行ったものだ。晴天が続き、しかも土日の具合と桜の開花時期とがうまく重なったという事情もあったと思う。
桜の季節 2018年 |
|
|
1 |
皇居濠周辺の桜 |
|
|
2 |
六義園(昼)の桜 |
|
|
3 |
六義園(夜)の桜 |
|
|
4 |
国立劇場前の桜 |
|
|
5 |
横浜三渓園の桜 |
|
|
6 |
小田原城址の桜 |
|
|
7 |
千鳥ヶ淵の昼桜 |
|
|
8 |
飛鳥山公園の桜 |
|
|
9 |
愛宕神社の昼桜 |
|
|
10 |
新宿御苑の昼桜 |
|
|
11 |
鎌倉の古刹の桜 |
|
|
12 |
塩山の桃花と桜 |
|
|
今年の方針として、去年行かなかったところを中心に桜を撮りに行くことにした。まずは、最近とみに評判の高い「目黒川の夜桜」である。私の友達によれば、今からおよそ30年前の昭和の終わり頃に目黒川のほとりに住んでいたけれども、その時は商店街の人たちが「川沿いには何もないから、桜の苗木でも植えようか。」という調子だったそうだ。ところが、その苗木が大きく育って、10年くらい前から「目黒川沿いの桜」として取り上げられるようになったので、驚いているという。
インターネットを見ると、昼間よりもライトアップされた夜間の方が、川のコンクリートが見えないし、幻想的な雰囲気があってよろしいのではないかと思われるので、夜桜を見に行くことにした。池尻大橋駅からと、中目黒駅から行く方法があるが、我が家から地下鉄を1度乗り換えて30分余りで行ける中目黒に行くことにした。
中目黒駅で降りて目黒川まで歩くと、ほんの数分で着く。すごい人波だ。目黒川には数多くの橋が掛けられていて、その橋の上から目黒川を眺めるれば、川に沿って数多く飾られているボンボリ、そのピンク色が反射して美しい川面、川の両岸から覆い被さるように咲く染井吉野の桜を一度に眺められる。しかも、手間の桜はボンボリの色を反射してピンク色に、もっと先の桜は白色LEDライトを反映して白っぽく見えて、奥行きを感じさせる。
面白いのはボンボリで、大抵はお店の名前が書いてある宣伝だが、中には「祝銀婚(夫婦の名前)」「(子供さんの名前)一歳おめでとう」などがあって、微笑ましい。飼い猫が二匹、大人しく重なって休んでいる。ところで、中目黒から北へは、川岸の東側が一方通行になっていて、西側がその逆だ。そこで、東側を人波に乗ってぶらぶらと歩き、橋のところに来たら写真を撮り、また歩くということを繰り返して、ついに山手通りに区切られるところまで来た。
そこで橋を渡って西岸をまた中目黒方面に戻れば良かったが、もう少し北はどうなっているのだろうと興味を持って、山手通りを横切って北上した。すると再び目黒川のボンボリと桜の風景が現れたが、その前と比べて物寂しいし、全体に暗い。桜を照らす白色LEDライトがないからだ。そうこうしているうちに池尻大橋駅に着いた。夜桜を満喫したというか、ピンク色にいささか辟易してきたので、そろそろ帰ることにした。
この夜桜は、会社帰りに同僚と、あるいはカップルで、飲み物を手にそぞろ歩きをしながら眺めるのが一番かもしれない。ただ、外国人とりわけ中国人が多い。彼らは一家揃って来日するケースが多いから、小さな子供さんや、もう90歳は超えているのではないかと思われる高齢のお爺さんお婆さんも連れてきている。そのバイタリティには、驚くばかりである。
(平成31年3月28日著)
(お願い 著作権法の観点から無断での転載や引用はご遠慮ください。) |