悠々人生・邯鄲の夢エッセイ



iPhoneX




1.私は、iPhoneを7年半も使い続けて、もはやこれが仕事や趣味に不可欠というほどになっているのだけれど、その心臓部を動かすソフトウェアであるOS(オペレーション・システム)が、iOS11に切り替わることで、問題が発生した。これは、64ビットで動くという。そうすると、従来の32ビットで動くアプリケーション(ソフトウェア)を、64ビット環境に合わせなければならない。しかし、私が最もよく使っている最重要アプリである「i手帳」が、64ビットに対応してくれていないのである。その他、対応していないアプリとして、年齢・年号計算アプリ、英語辞書アプリなどいくつかあるが、それらは代わりのアプリがあるからまだよい。ところがi手帳の場合は、これに代わるアプリがなかなか見つからないのである。調べてみると、どうやらその作者が交通事故で亡くなったという噂があった。それが本当であれば誠にご愁傷さまなことであるが、後継者がいなければ、いつまで経ってもiOS11に対応してくれないことになる。道理で、iTunesストアからデータが消されているわけだ。仕方がないので、iOS11に転換せずに当面はiOS10のまま、使うことにした。昨年10月のことである。ただ、そうすると「iOS11に転換せよ」という表示がいつも出てきて、なかなかうるさい。いつかは替えることになるからと、「i手帳」に代わるものがないかとネットで調べたところ、「スケジュールストリート」というアプリがあった。スケジュール管理と日記が合わさっていて、写真、メモ、録音も保存できる。一覧性は、「i手帳」ほどではないが、まあ使える。毎日の日記の保存は、画像にして「Evernote」に入れればよい。ELECOMという会社がやっていて250万ダウンロードだそうだから、長続きしそうだ。そういうわけで、これに決めた。ただ、毎日の日記にかかわることだから、スケジュールストリートの使い勝手をみなければと思って、昨年10月以来、i手帳と同時に使い続けてきた。それで、ほぼ同等のことができると確認し、本年1月1日をもって、iOS11に転換した。

スケジュールストリート


 ところがそうなると、今度はiOS11の性能を生かせる機種がほしくなった。私は1年3ヶ月前に買ったiPhone 7plus 256GBを使っている。ところが、iPhoneX(テン) なるものが2ヶ月前に発売されたというので、いつもの新しもの好きの性向もあり、その256GBのモデルに機種変更することにした。1月4日に御茶ノ水のauショップに行き、iPhone 7plus をiPhoneXに機種変更し、今まで私が持っていたiPhone 7plus 256GBを持ち帰って家内(同じiPhone 7plus の32GBモデル)に使ってもらおうという算段である。家内の従来機種は、32GBのため、いつもデータ容量不足に見舞われているからだ。


2.auショップでは、こういう内容の契約だった。

 @ 現金販売価格146,400円のところ、分割支払金は135,600円(頭金10,800円。分割の方が安い。)、分割支払金は月2,825円(なぜこんなに安いのかと思ったら、何と支払回数48回で支払い期間が50ヶ月となっていた。)まあ、2年ほどしたら再び新しい端末が出て、それへと乗り換えさせられる形で割引がありそうだから、それで良いと納得した。

 A Apple Care+とau端末サポートが月1,285円で、故障や損傷の修理代金が少し安くなるほか、紛失盗難保証が4年で2回まで利用可能だそうだ。(Apple電話番号:0120-925-050、受付時間:09:00から20:00まで、年中無休)

 B ビデオパスというものに自動的に入会させられた。月562円だそうだが、「そういう趣味はないから要らない」と言うと、「では自分で退会せよ」と言うので、帰ってから忘れないうちに、auのアプリを通じて退会した。簡単に終えられた。

 C 通信プランについては、現在、私は月5GBの電話かけ放題というプランである。今はこれで十分なのであるが、それが、「auフラットプラン20・かけ放題」となる。つまり、データ使用量が20GBもある。「私はビデオを見ないから、要らない」というと、「プランはこれしかないし、次のDでiPadと共用できる」というので、納得した。その月額利用料は、7,500円(内訳:月額基本使用料が2,400円+データ定額料が4,720円+LTE NETが300円)。 ちなみに、面白いのは、アップグレート・プログラムで、月390円を払っていると、私の場合は48回返済なので、端末購入から25ヶ月目に機種変更すると、残債はすべてauが負担するという。つまり、本体代金が半分になるということを意味する。更に、乗換え時の今回の負担を軽くしようとするのか、ビッグニュース・キャンペーンとして、最大12ヶ月、毎月1,000円を割り引くという。

 D それで、毎月の支払いは、iPhoneXだけで、確か月12,000円強になる。「そこで」と言って係員が出してきたのは、「加えて、iPadに新しく3年契約すると、iPhoneXの方も割り引かれて、合わせて月13,000円ほどですが、いかが?」という。しかも、その分のデータ使用量は、iPhoneX本体で契約する20GBの中に含まれる、つまりiPhoneとiPad間で共用できるということだ。私は、数年前に買ったiPadを実に便利よく使っている。これはもう、iPhoneXとペアで必要不可欠なものと言って良い。特に新聞や雑誌を読むのに使っている。1年ほど前に2年の契約期間が切れたので、その際にSIMカードを抜いてWiFi専用とし、外ではiPhoneXのテザリングを利用していた。だから、iPadに再びSIMカードを入れるなら、テザリングは不要となるから、その費用は節約になる。ということで、またiPadを買うことにした。ややこしいことに、これは3年契約である。


新しいiPad


3.これで契約が終わり、家にiPhoneXと新しいiPadを持ち帰った。

 @ 前日に、私と家内のiPhone 7plusを私のパソコンのiTunesに暗号付きでバックアップした。ちなみに暗号付きでないと、全てのパスワードや設定をやり直す必要があるからである。次に

 A 家内に使ってもらうため、私が使っていた iPhone 7plus 256GBをまずリセットした。それは、端末の「設定」から簡単に出来る。その上で電源を入れると、「こんにちは」から始まって、使う言語の設定、自宅WiFiの設定(2Gと5Gの二つ)に次いで「新しいiPhoneXとして設定するか、iCloud又はiTunesにある既存のバックアップから復元するか」という選択肢があり、

 B 最後者の復元を選ぶと「iTunesに繋いで」という指示がある。それに従ってライトニングコードをパソコンに繋ぐと、どのバックアップかという選択肢が示されるので「iTunes中の家内のバックアップ」を選ぶと動き出したが、途中で「残り6時間」などと、とんでもない時間が示された。32GBでこの調子では、私のiPhoneXで256GBをバックアップする場合は何時間かかるのだろうという気になる。

 C ところが、家内のiPhone 7plus 32GBのバックアップを私の256GBへと復元する試みは、失敗した。3回やっても同じ。指示通りパソコンを再起動しても同じ。しかも「容量がない」という表示がパソコン画面中に出たので、てっきりiPhoneXの容量のことかと思ったら違った。容量不足は、パソコンなのである。500GBあるはずのCデレクトリーの余りが、驚いたことにあと6GBとなっていた。そこで慌てて容量の大きいデータをDデレクトリーに動かして48GBを空けた。それからまた復元を試みたが、やはり失敗した。よくよく調べてみると、家内のバックアップの複製がCデレクトリー中に4個も作られている。これでは容量が足りなくなるはずだ。理由はよく分からない。そこで、当初の計画は一時的に棚上げとして、家内にはとりあえず、引き続き32GBを使ってもらうことにした。パソコン中のバックアップは削除してしまった(注1・2)

 D 私のiPhoneXに、7plus256GBのデータのバックアップを試みたら、一発で成功した。支障なく使えている。

 E ところで、古いiPad(これまではWiFiかテザリングで使用)をiTunesにバックアップし、それを新しいiPadに復元しようと思ったら、「古すぎて復元できません。」と出た。「OS11にしてあるのに」と思ったが、仕方がない。こちらは、諦めることにした。幸い、主なデータはiPhoneやiCloud上にあるので、手による復元には、さほどの手間はかからない。むしろ、既存のアイコンが整理できて、かえって都合がよい。


4.それから、iPhoneXと新iPad(第五世代)を10日ほど使ってみた感想であるが、まずiPhoneXの大きさは、7plusシリーズと比べれば再び元に戻ってひと回り小さくなったが、字の大きさが自由に調整できるので、さほど気にならない。むしろ、シャツのポケットに楽に入るから、持ち歩きやすい。それに加えて、顔認証は非常に便利であり、これほどのものかと、つくづく感心した。最初の認証画面だけでなく、パスワード付きの個々のアプリでも、開いたとたん、自動的に顔を見てIDとパスワードを入れてくれる。これだけでも、価値があると思う。また、速度が速くなった気がする。実感としては、2割ほど早いかなという感じだ。しかし、ディスプレー画面は液晶ではなく有機で美しいという触れ込みだったので期待していたのだが、確かに美しいものの、以前ラティーナ・ディスプレイが出てきたときに驚いた時のような感激はなく、iPhoneファンには申し訳ないが、あまり差がわからない。なお、写真の圧縮方式を変えたそうだが、私は「互換性重視」として、引き続きJPEG又はPNGで使うつもりである。美しい写真が撮れるということだが、確かにそうかもしれない。ワイヤレス充電ができるというが、そのための専用充電機器は、まだ発売されていない。新iPadの方は、画面は美しいし、前のものより動きが断然に早い。やっと、設定を終えた。アプリの並べ方は、なるべくiPhoneXに似せるようにした。また、本や書類に紛れることが多いので、目立つようにと、派手な色目(ローズゴールド)のカバーにした(注3)。


派手な色目(ローズゴールド)のiPadカバー


 この際ということで、色々なアプリでパスワードを変更した。困ったのは、JR東日本関係で、「えきねっと」、「Suica」、「Suicaポイント」、「びゅー」、「大人の休日」など、たくさんあり、中にはあまりに古くて、もうパスワードの記録も見つからないというのがあった。それまでは、「My JR−East」の連携IDで入っていたから実用上は問題がなく、従って個々の古いパスワードは忘れてしまっていた。ところが今回の機種変更で、その連携を再びやり直す必要があり、そのためには10年以上も前の昔のパスワードを思い出さないといけない。これには困ったが、何回か失敗して、やっとパスワードが通ったときの嬉しさは、格別だった。でも、考えてみたら、誠にばかばかしい話で、JRが最初から一括してウェブサイトを作ってくれていれば、こんなことはなかったのにと思った次第である。その他、特に銀行関係は、一部独自な認証方式のところを除いて、すべて顔認証でやってくれる。「Keeper」も、顔認証だし、今回、パスワード付きのバックアップから復元したので、いちいち連絡しなくとも、そのまま新iPhoneXと新iPadで使えた。また、この両者で月20GBの容量を使えるし、使い勝手も良くなったので、新iPadをかなり使うようになった。

 その他、家内のiPhone 7plus 32GBと、古いiPadは、まだ十分に使えるので、こんな中古品でよければ誰か若い人にあげようと思ってSIMロックを解除しようとした。そうすると家内のものはネット経由で簡単に解除できたが、残念ながら古いiPadは解除できない機種であることが判明した。WiFiで使うなら別だが、電話回線で使うのならauの回線を持っている人にしか、差し上げられない。また、iPhoneXのカバーは、auショップで売っているブック型の単純なものにした。画面保護フィルムは、前回同様に、係員に貼っていただいた。とても、上手である。




(注1) iTunesバックアップの削除方法

 検索バーに「%appdata%」と入力。「return」キーを押す。「Apple Computer」>「MobileSync」>「Backup」の順に各フォルダをダブルクリックすると、バックアップファイルが見つかる。そこで、全て削除してしまった。結局、全部で280GBほどもあった。


(注2) バックアップに再度挑戦

 数日経って、前回バックアップが失敗した理由が分からないので、再びやってみることにした。まず、@家内のiPhone 7plus 32GBについて、パソコンのiTunesでバックアップを取り(もちろん、パスワード付き)、その間、私のiPhone 7plus256GBをリセットする。A次いで、上の3ABと同じ要領でやると、小1時間ほどで復元ができた。32GBから256GBになったので、これ以降、家内は容量を気にせずに使うことができる。


(注3) 新iPadのカバー(ローズゴールド)

 ESR 新型 iPad 9.7 2017 ケース 超軽量 極薄レザー 三つ折スタンド オートスリープ機能 スマートカバー 2017年春発売のiPad 9.7インチ(第五世代)のみ対応(モデル番号A1822、A1823) 全10色(ローズゴールド) 販売: ESR Case JP Store






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(平成30年1月15日著)
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