悠々人生・邯鄲の夢エッセイ



いらすとや




 先日、息子夫婦に、第二子が誕生した。2,880g余りの健康な男の子だ。私たちにとっては、直系の男孫ということになる。皇室になぞらえるのもいささか畏れ多いが、たった一人ではあるが男子直系で繋がったということになる。めでたいことだ。郷里の私の母も、手放しの喜びようだ。

 夫婦の第二子とあって、パパもママもさすがに慣れていて、まずパパの方は、赤ちゃんを慣れた手付きで抱いている。誕生の当日に、「名前は決めたの?」と聞くと、「いいや。まだだよ。本人の顔をよく見てから、決めるつもり。」と、物慣れした答えが返ってきた。なるほど、その通りだ。ママはというと、こちらもゆったりと構えていて、私が「誕生したその晩は、ゆっくり寝られましたか?」と聞くと、「ええ、最初の子は、いったん泣いたら止まらなくて、本当に大変でしたけど、この子はお腹が空いてミルクが欲しいときだけ泣くので、本当に楽です。」という。そして、「この子は、とっても育てやすそうです。」とニッコリする。手慣れた手つきで赤ちゃんを抱っこして授乳している。結構なことだ。


いらすとや


 私の家内が、「友達と話していて、『赤ちゃんの時から手のかかる子は、もう一生、手がかかって仕方がないけれど、逆にその頃から手のかからない子は、ずーっと手がかからずに行くんですよ。』ということになり、『本当にそうよね』と納得したことがありますが、この子はきっと、一生、手のかからない育てやすい子ですね。」と宣っていた。現に、息子がそうだから、おそらくその通りだと思う。

 それから数日して、息子パパ曰く「この子は、22世紀を見られる人だから、大事に育てたい。顔を見ていると、とても素直でまっすぐ育ちそうな様子なので」と前置きして、皆の前で、赤ちゃんの名前を発表した。その名前と、赤ちゃんの顔を見比べて、一同、なるほどと納得した。良い名前だ。その名の通り、すくすくと育ってほしい。



 ところで、姉となった女の子、つまり我々の孫娘ちゃんは、今年から幼稚園児となったが、お産の間は、母方の家で預かってもらっている。お母さんがいない中、健気に頑張っているそうだ。どうかこの一家が、いつまでも幸せでありますように。

 なお、この私のエッセイ中で、最初の孫は「初孫」、2番目の孫は「孫娘」と、それぞれ2文字で呼んでいるので、3番目となるこの直系の男孫をどう呼ぼうかと思案中だ。「孫男」くんというのも人の名前のようでよくないし、「男孫」くんは、これまた呼び慣れない。そこでいっそのこと「直系」くんで行こうかと思っている。





(平成28年6月11日著)
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