悠々人生・邯鄲の夢エッセイ



国立劇場の桜(神代曙)




1.どこもかしこも桜が満開で、実に華やかな季節を迎えた。それは良いのだが、実は私の身体にも、激変が起こった。

 そもそもの始まりは、去年晩秋の健康診断で、体重が78.8kg、BMIが25.3で限界の25を超え、また腹囲は90cmと、これも基準の85cmをはるかに超えているから、完全なメタボリック・シンドロームだと言われてしまったことだ。しかも、血液中の肝臓の働きを示す指標であるGOTとGPTが、若干だけれども、それぞれ少しばかり基準値を超えている。中性脂肪と善玉コレステロールは範囲内だが、悪玉コレステロールが基準より少し高いし、悪玉を善玉コレステロールで割った値が基準値の2.5に対して3を超えている。血圧は上は良いが、下の方がやや高い。これは運動不足を意味するそうだ。しかも肝臓が脂肪に覆われているらしく、超音波検査(エコー)ではっきり見えない。このまま放置していると、脂肪肝からNASH(非アルコール性脂肪肝炎)になるおそれがあるとのこと。ちなみに、最近の肝がんの30%は、これからくるそうだ。

 ということで、「メタボ健診」の「動機付け支援レベル」に相当するので、食事管理や運動療法をしなさいということになり、では具体的に何をするべきかを栄養士さんに聞きにいった。すると、要は、「食事量を減らせ、甘い物は摂るな、運動をせよ。」ということだった。

 そこで、去年12月始めから、本腰を入れてダイエットに取り組むことにした。実は、12年ほど前に、体重が79.5kgにもなってしまったので、あわてて74.5kgへと3ヶ月で落としたことがある。その時にならえばよいと思った。ただその時は、咽喉元が過ぎて直ぐに熱さを忘れてしまい、1年もしないうちにリバウンドしてしまった。今回は、その轍を踏まないようにしないといけない。


2.ではどうするかと考えて、次のような方法で、ダイエットすることにした。なお、前回のダイエットが長続きしなかったのは、たとえば昼食は、その食事内容にかかわらず、量を半分にするとか、白飯は食べないとか、極端過ぎたことだ。その失敗を繰り返してはいけない。その反省の下に、次のようにすることにした。

【1】1日3食をそれぞれ600kcal以内とする。

 朝食と夕食は、家内に頼んで、白飯を140gとし、栄養素が偏らない食事にしてもらったから、これは大丈夫だ。問題は昼食である。私が好きでよく食べているもの、例えば、天麩羅、牛肉ステーキ、トンカツ、うなぎ、スパゲッティなどは、軒並み1,000kcalを超すではないか・・・ああ、なるほど、だから太ってしまったのかと納得した。

 ただこの600kcalという基準も、目の前の食事を見ても、初めは何が何だかわからなかった。だから、その度にiPhoneでカロリーを調べていたが、これは結構、面倒で時間がかかる。そこで、自分で計算する代わりに、デニーズ、ジョナサン、大戸屋のようなチェーンのレストランに行った。そうすると、メニューにカロリーが書いてある。それで徐々に覚えていって、次第に慣れてきた。今では、料理を一見しただけで、およそのカロリーがわかるようになった。

 しかし、時には、上に挙げた1000kcalを超す天麩羅以下の料理を食べたくなる。そういう場合は、まずご飯の量を減らす。例えば半分にしただけでも150kcalやそこらは、直ぐに減る。でもそれだけでは足りない。仕方がないので、天麩羅の衣を外して食べると、600kcalに収まる。牛肉ステーキも、脂身の少ない赤身の肉を食べてパンやご飯を控える。たったこれだけの工夫でよい。これを毎食続けていくと、摂取するカロリーは大きく変わる。チリも積もれば山となるというわけだ。

 でも、たまにはそういうチマチマしたことが面倒になって、まともにしっかりと食べたくなる。そういうときには、好きなだけ食べる。でも、その代わりに夕食をその分減らしたり、あるいは翌日にその「負債」を調整する。場合によっては、1週間単位で調整してもよいと思う。そういう涙ぐましい努力をここ数ヶ月、続けていった。

 その他、朝食にはオーツ(燕麦)が良いと聞き、早速朝のメニューに取り入れた。これはビフィズス菌など、消化吸収を助けてくれる腸内細菌の「エサ」にもなるそうだ。まず乾燥オーツを20g、豆乳を120cc、ミネラル摂取のためにナッツ類を少々、それらに、オーストラリアで買ってきた蜂蜜を若干混ぜる。まとめて250kcalくらいだと思うが、これを電子レンジで温めて、毎朝食べることにした。だから、白飯を半分にして70gとした。もうこうなると、お茶碗にほんのちょっとしかない。でも、納豆や小魚と一緒に食べるときには、やはり白飯は必要だ。なお、パンはバターやジャムを塗ったりするとカロリーが高くなるので、原則として、食べないことにしている。

 それでも、さすがにテニスのときはエネルギーを消費するので、200kcalほど余計にカロリーを摂ることにした。特にテニスが終わってからの30分は、ゴールデンタイムといって筋肉が再生される時だから、良質のタンパク質を摂ることが望ましいそうだ。そこで、ゆで卵、チーズ、牛乳、ヨーグルトのいずれかを摂るようにした。なお、ジュースやスポーツドリンクの類は糖分が多いので、原則として飲まず、カフェインのないお茶を飲んでいる。そうするとミネラル類が不足しがちなので、ナッツ類を意識して摂ろうとしている。

【2】フルーツは半分以下、甘い物は原則禁止

 また、これまでの食生活を振り返ってみると、フルーツは体によいからと、量を気にしないで結構食べていた。特に昨年の夏は、昼食後にコンビニに立ち寄ってフルーツミックスなどをパクパク食べていた。フルーツは必ず食べる必要があるが、果糖を含むから、そんなに食べてはいけないらしい。例えばリンゴやバナナは、1日に摂る量をせいぜい1個の半分にすべきだという。

 さらに、甘い物もさほど気にせず食べていたが、これも糖分が脂肪に転化するので、原則として止めるべきだとも言われた。ただ、糖尿病患者ではないので、たまには気分転換に食べることもある。たとえば、桜の季節となり、半蔵門の甘いもの処「おかめ」に行くと、名物の「桜のおはぎ」がある。こういうものは、眼にしただけで食べずに帰るというのは、かえってよろしくないという勝手な理屈で、食べてしまっている。もっとも、これは昼食代わりなので、一緒におでんを少々食べた。カロリー上は600kcalに収まっていると思う。現に、その後、お腹が空いた。


桜のおはぎ


【3】テニスを週2回する

 私は、中年になってテニスの面白さに目覚め、青山の明治神宮テニスクラブに入るなどして、かれこれ20年ほどプレーしてきた。ところが、4年ほど前に試合中に右太腿の肉離れを経験したことから、いったんテニスを止めていた。ところが、栄養相談に行くと、何か運動をした方が良いという。ジョギングや強めの散歩、あるいは水泳という運動があると言われたが、どちらもゲーム性がないので、私にはあまり面白いものではない。その点、テニスなら、ゴルフのように遠くへ出掛ける必要もないし、手軽である。

 では、またテニスを始めようと思った。前のように明治神宮テニスクラブを考えたが、当時のテニス仲間にはもう止めてしまった人が多いし、東京オリンピックを控えて、テニスクラブの存続が問題になっているらしい。それに、こちらの室内コートには冷暖房がないので、特に夏は、コート内の気温が36度くらいに上がることがあり、熱中症になるおそれもあるから、かえって健康に悪い。どこか別の場所がないかと思って探したところ、錦糸町に室内スクールがあった。そこで取り敢えず、このテニス・スクールで昔の勘を取り戻すことにして、入ってみた。

 最初は、何をやっても当たらなかったが、1クール2ヶ月間やっていると勘を取り戻し、初級クラスから、初中級クラスへと昇格した。あと半年ほどやれば、中級に戻ることができるのではないかと皮算用している。ただ、昔に比べて、サーブが弱くなった。筋肉が弱くなっている。上手な若い男性とやると、簡単に反撃されてリターン・エースを取られることがある。これを何とかしないと、中級どころではない。コーナーを丹念につくか、もっとスピードを上げるか、練習が必要だ。そういう課題があるものの、パンパン打ち合った後の爽快感は、何にも増して素晴らしい。ただ、これを週2回やると、結構疲れる。しかしそれも、最近では若干の筋肉痛を感じるくらいで済むようになった。身体が次第に順応してきているようだ。

【4】毎日平均で8000歩、うち30分は早足

 無目的に歩くのはあまり趣味ではないが、それでも、昼食時と朝晩を合わせて、月曜日から金曜日までのウィークディには1日7000歩、週末の土曜日と日曜日には1日1万2000歩を歩くことにした。実は、これはこの10年ほどやってきたもので、私にとっては別に目標というものでもない。それに加えて、1日で少なくとも30分は、かなりキツめに走るように散歩することにした。最初はかなり大変だったが、テニスと同じで、身体が次第に慣れてきた。

【5】ガゼリ菌ヨーグルトにビフィズス菌

 ここからは、いささか信ぴょう性に欠けるところがあるが、森永メグミルクの「ガゼリ菌ヨーグルト」という製品があって、脂肪肝の改善に効果があるらしい。実際にそういう効能があるかどうかはよくわからないが、気休めでも良いから、毎朝、食べてみることにした。

 加えて、ハウス食品の「ウコンの力」というドリンクは、肝臓の働きを助けてくれるというので、3ヶ月ほど続けて毎日飲んでいた。ところが、そのうちこれは鉄分を含んでいるので、飲み会がある日はともかくとして、普段から毎日飲むのはよくないかもしれないと思い直して、止めた。それに替えて、腸内でビフィズス菌のような善玉細菌を増やすと、痩せる効果があるというので、ビフィコンというカプセル入りのビフィズス菌などを飲み始めた。

【6】キシリトール・ガム

 最近、いつも通り、歯科に定期的な歯の検査と清掃に行ったところ、歯科衛生士さんが新しい人に代わっていた。そして、その人から毎食後にキシリトール・ガムを噛んで口腔内の酸性環境を中和するようにとのアドバイスを受けた。そんなものかなと思って、コンビニでキシリトール入りのガムを買ったところ、これが甘くて甘くて、口の中がおかしくなりそうだった。これはひどいと思って成分をよくよく見たところ、甘味料としてキシリトール(白樺からの抽出物で自然のもの)以外に、アスパルテームだの、L−フェニルアラニン化合物だのアセスルファムKなどという合成甘味料のオンパレードだった。もちろん、糖分はゼロなのだが、こんなに甘く感じると、身体も糖分と勘違いして高血糖の場合と同じような反応を起こすことは間違いない。

 そこで、甘味料はキシリトール100%のものに限ると思ってネットで探すと、アマゾンでそういうガムが見つかった。歯科専用というので、ますます都合がよい。これを注文して試したところ、甘味は頼りなくて、しかも口に入れてから1〜2分で消滅するが、それで良いのだと思って毎食後に口にしている。すると、副産物として、お腹が空いているときに、その空腹感を紛らわすのにちょうど良いことがわかった。もっとも、余りたくさん食べると、下痢とまではいかないが、お腹がゆるくなるそうだから、1日に全部で5粒以内にしている。でも、今のところ、これといった問題は生じていない。


3.さて、ダイエットを始めてから、かれこれ6ヶ月が経った。開始したときには、78.8kgだった体重は、71.0kgと、約8kgも減ってしまった。全く、信じられないほどだ。毎食600kcalに抑えたことか、それともテニスか、どちらがより効果があったのかはわからないが、いずれにせよ、この二つが効いたことは確かだろう。

 2015年11月27日 78.8kg (−−−−−−)
 2015年12月02日 78.5kg (▲0.3kg)
 2015年12月09日 77.1kg (▲1.4kg)
 2015年12月16日 76.8kg (▲0.3kg)
 2015年12月23日 76.6kg (▲0.2kg)
 2016年01月06日 75.2kg (▲1.4kg)
 2016年01月13日 75.0kg (▲0.2kg)
 2016年01月20日 74.5kg (▲0.5kg)
 2016年02月03日 74.0kg (▲0.5kg)
 2016年02月10日 73.7kg (▲0.3kg)
 2016年02月17日 72.7kg (▲1.0kg)
 2016年02月24日 72.6kg (▲0.1kg)
 2016年03月02日 72.7kg (+0.1kg)
 2016年03月09日 72.4kg (▲0.3kg)
 2016年03月16日 72.4kg (+0.0kg)
 2016年03月23日 72.7kg (+0.3kg)
 2016年03月30日 71.6kg (▲1.1kg)
 2016年04月06日 71.8kg (+0.2kg)
 2016年04月13日 71.3kg (▲0.5kg)
 2016年04月20日 70.9kg (▲0.4kg)
 2016年04月27日 71.3kg (+0.4kg)
 2016年05月11日 71.4kg (+0.1kg)
 2016年05月17日 70.8kg (▲0.6kg)
 2016年05月25日 71.0kg (+0.2kg)
 2016年06月01日 70.3kg (▲0.7kg)
 2016年06月08日 71.0kg (+0.7kg)
                    【後日談1を参照】
 2016年06月15日 70.3kg (▲0.7kg)
 2016年06月22日 70.7kg (+0.4kg)
 2016年06月29日 70.7kg (+0.7kg)
 2016年07月06日 71.4kg (+0.3kg)
 2016年07月13日 70.6kg (▲0.8kg)
 2016年07月20日 70.4kg (▲0.2kg)
 2016年07月27日 70.2kg (▲0.2kg)
 2016年08月03日 70.1kg (▲0.1kg)
 2016年08月17日 70.6kg (+0.5kg)
 2016年09月07日 70.7kg (+0.1kg)
 2016年09月14日 71.0kg (+0.3kg)
 2016年09月21日 70.6kg (▲0.4kg)
 2016年09月28日 71.0kg (+0.4kg)
 2016年10月05日 70.6kg (▲0.4kg)
 2016年10月12日 71.4kg (+0.8kg)
 2016年10月19日 70.4kg (▲1.0kg)
 2016年10月26日 70.7kg (+0.3kg)
 2016年11月02日 70.0kg (▲0.7kg)
 2016年11月09日 70.6kg (+0.6kg)
 2016年11月16日 70.9kg (+0.3kg)
 2016年11月23日 70.0kg (▲0.9kg)
                    【後日談2を参照】



4.この減量の結果、何か身体に変化があったかというと、答えはイエスだ。まず、ズボンがゆるゆるになった。腹囲は90cmあったのに、83cmへと激減した。感覚的だが、体重が1kg減るごとに、腹まわりが1cm分、少なくなるようだ。そのせいで、ベルトが緩くなってきたから、その度に短くして、合計で6cm以上は切ったと思う。それとともに、腕時計が緩くなって、腕のまわりで文字盤がグルグル回る始末だ。身体が軽くなったので、階段を駆け上がる意欲が湧いてきて、実際にそうしている。これまでは常時、体重8kgの子供を抱えて歩いていたようなものだから、それに比べれば、歩く際の負担が減ったのだから、当然の結果だ。

 これらが、いわば良い効果だとすると、実は副作用のようなものが一つだけある。それは、朝起きて体を起こした瞬間と、夜寝るつもりで布団に横たわった瞬間、軽い目眩(めまい)が起こることだ。もっとも、2〜3秒くらい目を閉じていると、症状は消える。体重が大きく減った2月によく起こったが、72kgの半ばで安定した3月には、ほとんど起こらなくなった。ただ、3月の終わりに1週間で1kg以上も減りだしたときに、また起こり出した。もしかすると、三半規管の中も脂肪が減少して、それが平衡感覚に影響を与えているのかもしれない。体重が安定すると起こらないと思うので、心配はしていない。逆にこれが起こりだしたときには、また体重が目に見えて減っている兆候だと思い始めている。


5.それより問題は、体重が減った身体に合わせて、服を約める(つづめる)べきかどうかである。何しろ今は、ズボンを履くと、お腹とズボンの間に握りこぶしが一つ入るようになった。紳士服の既製服の基準でいえば、AB体だったのがA体になってしまった。これではベルトなしでは、ズボンが容易にずり落ちてしまう。ただ、将来再びリバウンドしても困る。そういうわけで、これは、体重が安定して一定期間経ってから決めようと思っている。それにしても、この調子で体重がどこまで減るのかが問題だ。まさかとは思うが、60kg台になったりして・・・というのは夢の見過ぎか? でも、私の身長では、68kgが標準だそうだ。もっとも、そんなに痩せてしまっては、いざ大病にでもなったときに果たして大丈夫かという気がしないでもない。だから、70〜71kgくらいを当面の目標にしようかと思っている。

 昨日、2ヵ月間ほど会わなかった人から、「後姿をお見かけしたら、別の人かと思いました。」と、真顔で言われた。それだけ、目に見えて痩せてしまったのかもしれない。そういうこともあって、そろそろダイエットは打ち止めして、この減った体重を維持する程度に続けていくことにしよう。それにしても、人間の身体というものは、好きなだけ食べていればそれなりに太るし、それをセーブすればセーブしただけ痩せる。まるで化学の器械のようなものだと思った。

 このダイエットも終わりかけの4月中旬に、いつもの散髪屋さんに行った。するとそこのおかみさんが「すごく痩せたわね。でも、顔色はいいし、顔に剃刀を当てるとすべりがいいから、健康的な痩せ方よ。」と言われたので、ダイエットの方向としては、これで良しと思っている。自分でも、全体の摂取カロリー量で調整しているから、ご飯などを絶対に食べないとか、そういう極端なことはしていないので、栄養バランスはとれていると思う。

 ただ、問題は、悪玉を善玉コレステロールで割った値が基準値の2.5に対して3を超えている点だ。これは、運動量を増やすか、摂取するタンパク質の内容を変えるかのどちらしかない。前者はこれ以上は無理だから、後者にしよう。振り返ってみると、今まで「肉を5、魚を1」くらいの割合だったが、これからは逆に「肉を1、魚を2」くらいにしようかと思っている。5月中旬が次の健康診断なので、それまでに改善させるつもりだ。




【後日談1】さて、その5月中旬の健康診断の日がやってきた。血液検査の結果を見ると、どの数値も劇的に改善していた。まずGOTとGPTについては、それぞれの基準値が13〜33、8〜42であるところ、いずれも17と、基準内に収まっている。ほかの数値も問題ないが、ただ、悪玉を善玉コレステロールで割った値だけは、基準値の2.5に対して、2.8と、まだ超えている。悪玉コレステロールが高いのだ。これは、対策に取り組んだ時期が遅かったので、この健康診断に間に合わなかったのだと思う。この点は、食事内容の改善を通じて、取り組んでいきたい。具体的には、@青魚を食べる。Aナッツを食べる。B野菜、豆、芋などの水溶性食物繊維を食べる。Cそば、緑茶、大豆、ウコンを摂る。そして、有酸素運動に取り組むことが大切だそうだ。


【後日談2】

 私がダイエットに取り組んでから、ほぼ1年になる。昨年11月半ばに病院で測った私の体重が79.6kgであったのに対し、今年11月には、同じ条件、同じ機械で測定したら、70.3kgで、体脂肪は18.2から、12.8となった。体重を見ると、概ね70kg台を維持しているが、週末にどこか旅行に行ったりして気を緩めると、たちどころに、71kg台に逆戻りする。でも、そういうときでも、自宅に帰っていつもの生活に戻ると、体重も数日間で元の70kg台に自然に戻るので、別に無理して減らす必要もない。そういうわけで、体重はこれで、ほぼ、安定してきたのではないかと思っている。このままの方針で暮らしていけば、リバウンドは避けられるだろう。

 その他の指標であるが、まずGOTとGPTについては、各基準値が13〜33、8〜42であるところ、それぞれ18、14と、基準内に低く収まっている。ほかの数値も問題なく、とりわけ悪玉を善玉コレステロールで割った値は、基準値の2.5に対して、ダイエット前は3を超えていたが今回は2.45と、やっと基準値に収まった。それにしても、 わずか数ヶ月間、食べ物をコントロールしただけで、悪玉が減り、善玉が増えてこれだけ改善するとは思わなかった。

 過去半年間を振り返って、最初に書いたところから、いくつかの変更点がある。まず、2.【5】ガゼリ菌ヨーグルトにビフィズス菌の項に記した「ガゼリ菌ヨーグルト」のことである。毎日、小さなカップの製品を食べていたが、やや甘いし、それほど美味しいものではない。それを半年間、続けた後で、飽きてしまった。そこで何か適当なものはないかと探した結果、「森永 恵 ヨーグルト脂肪ゼロ」にした。もちろん砂糖が入っていないプレーンなヨーグルトで、ガゼリ菌だけでなく、ビフィズス菌も入っているから整腸作用もある。何よりも、食べていて飽きないのがいい。400gのものを買ってきて、毎朝100gずついただいて、未だに飽きない。味付けにジャムを少しばかり加えているし、それを順番に変えているからかもしれない。また、ビフィコンとウコンの効果がよくわからないので、結論からいうと、両方とも止めてしまって、様子を見ている。


食べなくなったガゼリ菌ヨーグルト


食べるようになった、森永 恵 ヨーグルト脂肪ゼロ


 10月に入る前に、冬物の背広がダブダブなのが気になってきた。体重が70kgで安定して数ヶ月間経ったので、もうよいだろうと思い、5着の背広を、これを買った日本橋のデパートに持って行った。そして顔なじみの係の人に相談したところ、「この体型なら、上下4cmずつ約める(つづめる)くらいで、よろしいのでは。」と言われた。そうして、2週間後に取りに行って試着したところ、身体にぴったりだった。そこで気を良くして、「夏物の背広も全部持って来ますよ。」というと、その係の人は「ああ、それはまた、来年の夏前でよろしいんじゃないですかね。」と言った直後に「体重がもっと減るかもしれないし。」と付け加えたので、参ってしまった。「リバウンドするかもしれないし。」と、咄嗟に言わなかったのは、さすが客商売のプロである。帰宅して、家内にそれを話し、2人で大笑いした。ところで、上記2.に、次の項目を追加することにした。

【7】血糖値スパイクの防止のため、食事を食べる順序を考え、しかもゆっくり食べる。

 NHKの番組で、最近、問題になっているのは、血糖値スパイクというものだそうだ。これは、普通の健康診断では血糖値を測ると100前後と、110以下の正常値である人でも、中には食後30分から急激に上がり始め、1時間後にピークを迎えて、例えば190などという高い数値になるという人がいる。これが血糖値スパイクで、そのたびに血管を傷付ける。その結果、糖尿病、認知症、がん(糖分を減らすために、インシュリンが出ると、インシュリン自体ががん細胞を増やす働きがある)という危険がある。そこで、これをなくすように食習慣を変えなければならない。そのためには、

 「まず、野菜を食べる。そうすると、腸に先に届いて、腸が糖を吸収するのを防ぐためのコーテングをしてくれる。それから、肉や魚のタンパク質を食べる。そうすると、これも糖の吸収を抑制する。そうした後、ご飯を食べる。そして、たとえばコース料理でスープにコーンスープがあるなら、それは最後(コーンは糖質で、糖分を大量に供給する)という順序になる。しかもこれらは、少なくとも15分くらいかけて、ゆっくり食べるのが大事である。そのとき、じっくり噛むこと。これから、腸に食べ物が行くよというサインを自然に出してくれる。」ということになる。

  【8】30分に1回は立って、少しでも身体を動かす。

 またNHKの番組からの話だが、座りっぱなしだと、耳石が動かないから、耳石がつながっている筋肉やホルモンなど全てが働かなくなってしまう。その結果たとえば、悪玉コレステロールが増えて善玉コレステロールが減る、中性脂肪が増える、血圧が高くなる、認知症になりやすいなどの弊害が出る。これは1時間につき22分も命を縮めているのに相当するという。2時間ほど座り続ける実験をしていたが、そうすると、耳石が動かないから、確かに、身体のコントロールが出来なくなっていた。だから、30分に1回は立って、少しでも身体を動かすことが大事だとのこと。特に食事をした直後から、少しの間、ちょっとした動きでもいいから、ともかく体を動かすことが大事である。なるほど、まめな方がよろしいということだ。




 しかし、これらの一方で、我ながら、ここまでやるべきものかという気がしないわけでもない。好き勝手に好きな食べ物やアルコールを自由に飲み食いして、その結果としてたとえ早死にしても、それも満足すべき人生だという考えもある。つまり、将来ともこのスタイルが身について病気せずに長生きできたら、それでよし。えい面倒だとばかりにまた元に戻ってしまっても、それも私の人生そのものである。しかし、そうはいっても、とりわけまだ現役のときに健康を害してしまうと、家内をはじめとして周りに迷惑をかけるので、あとしばらくは、【1】から【8】までの戒めを守ってやって行こうと思っている。




(平成28年4月2日著、13日、20日、27日・6月8日に後日談1を、11月16・23日に後日談2を追加)
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