東京国立博物館で開催されている「始皇帝と大兵馬俑」は、ぜひ見ようと思っていた。気が付いてみるとその会期末があと1ヶ月余りとなっていたので、見逃さないようにと、今のうちに行ってみた。 これらに加え、説明によれば、「会場では数千もの兵馬俑が整然と並んで出土した発掘現場『兵馬俑坑』を迫真の手法で再現します。兵馬俑は一体ずつ鑑賞してももちろん素晴らしいものですが、臨場感あふれる会場で『軍団』としての圧倒的な迫力を体感することで、これまでとは違った魅力に出合える」という。確かに、これらが所狭しと縦に集団で並ぶ様は、大きな迫力を感じる。 兵馬俑は今でこそ土色をしているが、完成当時は実に色彩豊かなものだったようだ。発掘されて現代の空気に触れた瞬間、5分ほどでその色が消えてしまうそうだ。それでも、中にはわずかに色が残っている兵馬俑があり、その色を元に彩色して兵馬俑を復元したビデオが映し出されていたが、まさに豪華絢爛たる軍団である。 その他、公式Webサイトから引用すると、「辺境の一小国に過ぎなかった秦が巨大帝国になるまでの『サクセス・ストーリー』を代表的な作品で分かりやすく紹介します。始皇帝による中国統一の前に、500年以上にわたる秦の波乱に満ちた歴史ドラマがありました。魏、楚といった強力なライバル国との競合のほかに、衰退した周王朝に対する『後継者』としての意識、高原地帯の民『西戎』との関わりなど、これまでにない視点を盛り込んで秦の天下統一に至るプロセスを辿」るという展示があった。
始皇帝(諱は政)は、隣国の趙に人質に出されていた秦の公子「子楚」の子だった。子楚は、政が10歳の時に太子となったために本国に戻されて3年後に即位したが、直ぐに亡くなり、その跡を継いで政が秦王となった。そして荊軻による暗殺未遂事件を乗り越え、次々に隣国を滅ぼし、遂に紀元前221年、39歳のときに中国を統一した。その統治方式は、歴代王朝の範となったもので、全国に郡県制を敷き、実力主義で登用した官僚によって統治し、字体、貨幣、度量衡を統一するというものだった。
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