1.柏・我孫子花火大会in手賀沼 先週はせっかく初孫ちゃんと立川の幻の花火大会に出かけたのに、大雨に降られた。そこで今週はそのリターン・マッチをしようと、また花火大会に出かけることにした。インターネットの花火カレンダーで8月3日(土)を見たところ、夏の真っ盛りらしく、あちこちで花火大会があるではないか。東京都だけでも、板橋、江戸川区、昭島市、青梅市でやるそうだ。でも、どちらも自宅から行くのに遠そうだ。帰りに初孫ちゃんが寝てしまったときのことを考えると、電車を乗り継いだり、駅から会場までたくさん歩かされるのは困る。ほかにないかなぁ・・・と思って東京以外の会場を探していたら、柏・我孫子花火大会in手賀沼というのがあった。千葉県だが、私の家のすぐ近くに駅がある千代田線は、綾瀬の先が常磐線の各駅停車となっていて、それで乗り継ぎなしに開催地の我孫子へ行くことができる。しかも、花火会場は我孫子駅から10分と、今回調べた中では最も近い。それでも全く地縁のない土地なので、念のためiPadのGoogle Mapの地図と現場の映像を見た。そうすると我孫子駅から花火会場に至る途中の道は、通常の住宅地を抜けていくから歩きやすくて子連れでも安全なようだ。そこで、こちらに行くことにした。 初孫ちゃんと、午後5時過ぎに千代田線の電車に乗った。すると、午後6時前にはもう我孫子駅前のロータリーに立っていた。家から50分もかからない。辺りは、まだ明るい。初孫ちゃんのトイレを済ませた後、花火見物の人の群れに混じって、二人で手を繋いでぞろぞろと歩き始めた。しばらく南下して右に曲がり、セブンイレブンのところを左に曲がって下り坂を更に歩いて行くと、そこがもう手賀沼である。その船上から花火を打ち上げるらしい。周囲は花火見物の客ばかりでかなりの人だかりであるが、のんびりしている。間違っても、隅田川花火大会のように混雑で殺気立っているという雰囲気ではない。皆さん、浴衣や普段着で、団扇片手に談笑しながらそぞろ歩いている。東京近郊とはいえ、地方のゆったりした時間が流れているようだ。周囲を観察していると、どうやら、手賀沼を周回する道路に敷物を敷いてそこに座ることが許されているらしい。眼の前の道路が、そうやって家族やカップルでどんどん埋まっていく。 それではと、我々もファミリー・レストランの前の道路部分の一角に腰を据えることにした。私と初孫ちゃんの二つの小さな折り畳み椅子を広げて置き、そこに並んで仲良く座った。初孫ちゃんは、私の折り畳み椅子に座りたがったが、「私のは制限重量が80キロだけど、あなたの椅子は50キロだから、おじいさんはそちらに座れないんだよ」などと身振り手振りて説明して、ようやく納得してもらった。それもそのはずで、私のは登山用品屋で3,500円で買った本格的なものであるのに対して、初孫ちゃんのは前日に100円ショップに立ち寄って購入した105円のいいかげんな椅子だからだ。とはいえ、体重が16キロのこの子には、それで十分である。しかし、価格差35倍なのに、大きさや外見がさほど変わらないのは、いったいどうしたことだろうか。 さて、二人で並んでその場所に座ったわけであるが、はたしてどこから打ち上げられるのか、どの方向を眺めていれば良いのか、さっぱりわからない。周囲の人に聞いても、「さあ?あの辺じゃないですか?」などというばかりで、埒が明かない。今更移動するのも面倒だし、ここで様子を見ようと思った。そうと決めたら、まずは腹ごしらえと、リュックを開けて初孫ちゃんと夕食をいただくことにした。リュックには初孫ちゃんの大好物のバナナとメロンパンが入っているし、それにカルピス・ウォーターがあるから、もうそれだけで大喜びしている。この子は単純で誠によろしい。こういうことになるだろうと思ってお昼に野菜をたくさん食べさせたとママが言っていたので、まあ良いだろう。二人で「どこから花火が上がるんだろうね」、「あっちかなぁ、それともこっちかなぁ」、「この間のような雨は来ないよね」、「お空が明るいから雨雲はないよ」などと言いつつ、パクパク、ムシャムシャ、ゴクゴク。打上げ時刻になるのを待った。私は、せっかく来たのだからと、三脚とカメラをセットした。 ここで、主催者のHPを紹介しておくと、『3年ぶりの復活でパワーアップ! 6会場から花火が放たれる』と題して「名称を変えて3年ぶりに復活した柏市と我孫子市の花火大会。ことしは手賀沼を囲む従来の3会場に、利根会場、柏の葉会場、下総基地会場の3会場が新たに加わり、計6会場から花火が打ち上げられる。柏第一会場ではキャラクター花火、柏第二会場と我孫子会場では水中花火、利根会場では花火デザインコンテストが開催され、それぞれバラエティに富んだ内容だ。また、手賀沼を囲む3会場は19:00から、利根会場は19:30から、柏の葉会場と下総基地会場は19:45からと打ち上げ開始時間が異なる」とのこと。そういえば、我孫子駅に着く前に、北柏駅で多くの浴衣姿の人たちが降りるのを見かけたが、同じ花火大会の違う会場に行く人たちだったというわけだ。 ようやく待ちに待った花火の打上げが始まった。それが嬉しいことに、私たちの位置からは、3つの花火の打上げを同時に見ることが出来た。左手、正面、右手である。まさに、絶好の場所だ。いずれかが沈黙していても、ほかから打ち上げられるので、間断なく見られる。大きな花火は、ヒューッ・ドンドン・パァーッと上がるし、低いが連続する花火はドンドンドン、パパッパッパーと上がる。初孫ちゃんは、怖がるかと思いきや、案に相違して「うわーっ、あれあれ、見てぇー」、「あーっ、あっちもーっ」、「うわぁーっ、凄い凄い」と歓声を上げ続けている。そして極めつけは「おじいさん、花火って面白いねぇ」という。まるで大人の感想の言葉みたいである。はるばるここまで連れてきたおじいさんとしては誠に嬉しいと、こちらも感激した次第である。 その一方で、初孫ちゃんの相手をしながら、花火の写真を撮らないといけない。花火モードにして撮っていくのだけれども、これは空高く上がる大輪の花火の撮影には適している。露出時間が4秒ほどなので、その間の変化があまりないからだ。しかしその長い露出時間が仇となって、さほど高くは上がらないもののいろいろな色に変化して長く光っているような類の花火を撮ると、まるで一面が火の球の海のようになってしまって、どうもうまく撮れない。手動で露出時間を短くして撮ろうとしたが、初孫ちゃんの相手もしなければならないので、それもなかなか難しい。というわけで、花火モードで撮れるものしか撮ることが出来なかった。 花火の打上げが始まってから、かれこれ1時間近くも経過した。そろそろ帰りの混雑が気になる。花火を見て歓声を上げ続けている初孫ちゃんに「そろそろ帰ろうか」と声をかけた。すると案の定「嫌だ。最後まで見る」という。こうなったら、梃子でも動かないのがこの子の性格だから、「それなら最後まで良いよ」と言ってそのまま見させた。仕方がない。泣く子と地頭には勝てないというわけだ。そうこうしているうちに、花火がひときわ派手になった。「もうすぐ終わりだから、こうやって派手になるんだよ」と言って、初孫ちゃんに帰る心の準備をさせる。一般に、この子は現在やっていることに熱中するタイプだから、そこで無理に次の局面に持っていくと、わあわあ泣き出して抵抗するのが常である。だから、こうやって事前に予告したり、心の準備をある程度させると、心が切り替わってちょうど良いのである。 花火が終わり、皆ゾロゾロと帰り支度を始める。私も手早く荷物を纏めて、初孫ちゃんの手を引いて人の流れに乗った。皆さんは、まだ花火の余韻が残っているようで、楽しく会話している。時刻をみると午後8時半過ぎだ。いつもの初孫ちゃんなら、歯磨きをして寝る前の絵本を読んでもらっている時間である。はて、このまま我孫子駅まで歩いてもらえるだろうかと、いささか心配になる。ところが、何と、あの暗い上り坂をちゃんと歩き切ってくれた。我孫子駅前のロータリーにたどり着いたときには、ホッとした。その辺りで初孫ちゃんは安心したのか、それともへばったのか、喉が渇いてお腹も空いたという。それならお安い御用だ。駅前の喫茶店に入り、何とか席を見つけてサンドウィッチと桃のジュースを買って渡すと、あっという間に平らげてしまった。そこでひと休みして、次の難題は電車に乗れるかどうかである。 我孫子駅の階段が混雑して人の海で一杯になってしまっている。しかし、先ほど見たほどの混雑ではない。初孫ちゃんが群衆に潰されないように抱き上げて、駅の階段を一歩一歩上がっていった。常磐線つまり快速に乗ろうか、それとも各駅停車の千代田線直通に乗ろうか迷うところだが、先に来た電車は千代田線直通だった。奇跡的に初孫ちゃんだけが座れた。そこに座った途端、初孫ちゃんは目をつぶってコックリコックリし始める。まだ4歳と8ヶ月だから、無理もない。後で首が痛くならないように支えてあげた。こうして、抱きかかえながら自宅まで帰ったのだが、自宅に着いたとたん、目をパッチリと開けるのだから、もうそれこそ苦笑いするほかない。 ところが、こうして花火見物の経験をした初孫ちゃんは、早速これを日頃の遊びに取り入れた。それがとんでもなく面白いのである。まず、部屋の真ん中に、積み木で花火の打上げ台の基礎を作り、それにサランラップの芯の筒を置く。これが打上げ台というわけだ。そのうえで部屋の電気を消す。テレビのリモコンを持って、アナウンスをし始める。「皆さん、これから花火大会を始めます。立ち止まらないで下さい。寝ている人は、起き上がらないで下さい」というわけだ。出鱈目だがそれなりに様になっているから可笑しい。しかし、それよりびっくりしたのは、花火の物真似だ。打上げ台の筒の方へと両手をもって行き、その下段から始まって両手を下から上へと動かしつつ「ヒューッ、ウーゥーッ」というお得意の高周波音の叫びを長く続けたあと、ひと呼吸おいて、両手を広げて「ドドドーン」と花火を爆発させる。それが上手いの何のって、家中の者が腹を抱えて笑いこけた。これが打上げ花火の大尺玉だ。次いで「ドドドッ、ドドドッ、ドドドッ」と続けるから何かと思ったら、間を置かずに「パパッ、パパッ、パッ」とやっている。ははぁ、これは仕掛け花火だ。芸が細かい。これも家中が大笑い。しかも笑い過ぎて、お腹が痛くなる。その痛さが収まらないうちに、また大尺玉の打ち上げの物真似をやった。しかもバーンと花火が弾けるときに細かく千切った色紙まで撒き散らしたので、家中が笑い過ぎてしばし立ち上がれないほどだった。かくして驚くべき才能が突然開花した初孫ちゃん、これを幼稚園の先生にも披露したところ、ビックリされ絶賛されたそうな。 (平成25年8月3日著) 2.神宮花火大会 先々週の柏・我孫子花火大会見物で楽しい思いをしたことから、どこか近くで行きやすい花火大会がないかと探していたところ、8月17日(土)に、神宮花火大会があった。我が家から行きやすいだけでなく、神宮球場で見物が出来る。有料の切符をインターネットで申し込み、入手した。その番号を持っていくと、セブンイレブンで入場券を発券してくれる。なるほど、便利になったものだ。待ち遠しい。 いよいよ当日になった。初孫ちゃんの手を繋いで、先々週と同じスタイルで出掛けたのである。先々週とは違ってこちらは地下鉄で20分程度で行けるし、帰りはいざとなったらタクシーに乗ればよいから気楽である。外苑前で降りて神宮まで歩こうとした。ところが、人出がすごい。普通は5分もかからないところを、たどり着くのに15分もかかってしまった。しかも夜になっても気温が34度で蒸し暑く、いわば超熱帯夜状態だ。暑くなければ良いなぁと思いつつ、初孫ちゃんの手を引いて球場に入ると、いやこれは大変な人出だ。すべて空けられている外野席を除いてほとんど全ての席が埋まっているし、グランド内にもたくさんの席が設けられていて、それもお客さんで一杯になっている。しかし、それだけではない。ステージが設けられて、そこで歌やらパフォーマンスが行われていた。ほとんどのお客さんは、それが目当てらしい。我々は、そんなアーティストにはさっぱり関心がないので、せっかくのパフォーマンスも騒音としか聞こえない。幼稚園児には、最悪の環境だなと思いつつ、二人で花火が始まるのをひたすら待った。 いよいよ花火が打ち上げられそうだと思った瞬間、第一発が上がって、ビックリした。外野席のすぐ裏から・・・いやいや、時には外野席そのものから、続々と花火が打ち上げられているではないか。我々のいる三塁側の位置のすぐ近くからの打ち上げなので、そのうるさいことといったらない。その反面、花火の迫力は十分だ。ダダッと上がるとすぐ上空でババーンと破裂する。打ち上げては破裂し、その余韻が覚めやらないうちに再び打ち上げられる。上空で破裂するまでの高さは調節してあるようだ。どこそこの会社の提供などとアナウンスがあって花火が上がる。いやその激しいこと・・・。外野席そのものから上がったときは、まるで火のついた松明を何本も球場の縁に突き刺しているようだ。迫力があり過ぎる。しかし、この激しい花火大会の花火は、初孫ちゃんの美学には合わなかったようだ。この日以来、家でパフォーマンスする花火には必ず「これは、我孫子の花火ね」というコメントが付くようになったからである。 (平成25年8月17日著) 3.金沢八景花火大会 8月の末日、神奈川県金沢区で「第39回金沢まつり花火大会」が開催されるようだと聞き、その近くについ最近まで住んでいた人のことを思い出した。その人に電話をして花火大会の様子を聞くと、「あれは良いですよ。砂浜に座って見られますからね、小さい子連れにはお勧めです。ただし、遠いですけれど・・・」とのこと。我が家からどれくらいかかるのだろうと思ってアプリ「乗換案内」で調べると、1時間半ほどで着く。これくらいなら問題ないと、行くことにした。初孫ちゃんの手を引きながら千代田線で大手町にて乗換えて三田に行き、そこで都営浅草線快特に乗って泉岳寺経由で京急本線で金沢八景、そこからさらに金沢シーサイドラインというモノレールの二つ目の駅である海の公園南口で降りれば良い。 いろいろな乗り物に乗るから、初孫ちゃんも喜ぶだろう。 (平成25年8月31日著) 4.ふじさわ江の島花火大会 10月19日、江の島で花火大会が開催されるという。時間は午後6時から6時45分までだ。そうすると東京に帰り着くのは午後9時前後となるはずだから、もうすぐ5歳になる初孫ちゃんを連れていくのにはちょうど良い。この時期の花火大会としては、花火カレンダーの全国花火大会による関東の人気ランキングで第1位の「土浦全国花火競技大会」があるが(注)、帰京するのが真夜中になりそうだから、小さい子連れには無理である。 (注)花火カレンダーの全国花火大会による関東の人気花火大会ランキング(平成25年10月9日現在) 第1位 第82回土浦全国花火競技大会(茨城県) 第2位 ふじさわ江の島花火大会(神奈川県) 第3位 燃えよ!商工会青年部!!第12回こうのす花火大会(埼玉県) 第4位 2013 NARITA花火大会in印旛沼 8th(千葉県) 第5位 あついぞ!熊谷 第64回熊谷花火大会(埼玉県) 第6位 第36回 隅田川花火大会(東京都) 第7位 第35回足立の花火(東京都) 第8位 第2回寒川みんなの花火(神奈川県) 第9位 第28回神奈川新聞花火大会(神奈川県) 第10位 納涼花火(神奈川県) (平成25年10月19日著) (番外編)東京湾大華火祭 東京湾大華火祭の打ち上げ数は約1万2000発、前年の人出は約65万人と巨大で、都内有数の規模を誇る。それだけに子連れで安全かつ見やすい席でこれを見物するのはなかなか難しい。基本的には晴海会場が一番良いと聞くが、都営地下鉄勝どき駅から徒歩15分というから、子供を抱いて歩くと20分はかかりそうだ。しかもこれほどの人出だと、帰りは殺人的混雑になるのは必至だから、初孫ちゃんを連れていくのは早々に断念した。 ということで、東京メトロ豊洲駅からほど近い豊洲会場にて見物したのだが、残念なことに、上がる花火の位置があまりにも遠かった。ただ、この花火大会は、東京湾沿岸域ならどこでも見られるので、あらかじめ見物する場所を十分に研究していけば、それなりに楽しめるかもしれない。 (平成25年 8月10日著) |
(お願い 著作権法の観点から無断での転載や引用はご遠慮ください。)
(c) Yama san 2013, All rights reserved