悠々人生のエッセイ



「子供と動物のイラスト屋さん」




 先日、孫娘ちゃんが誕生した。もう4歳となった初孫ちゃんに次いで、私たち夫婦にとっては2番目の孫となる。長い懐胎期間を経て辛いお産を乗り切ったお嫁さんに深く感謝するばかりである。本当に、ご苦労さまでした。もっとも、これから更に大変な日々が続くけれども、まあそれが人生であるし、その喜怒哀楽劇の始まりというものだ。この世に神様がおられれば、この息子夫婦とその初めての赤ちゃんに、永遠の幸せを授けていただくよう請い願っている。

 娘の方に先にできた初孫が男の子で、それに続いて息子の方に今回生まれたこの孫が女の子であるから、そのどちらも将来が本当に楽しみだ。さて、その孫娘たる赤ちゃんのことだけれども、この寒い季節に生まれて、しかも折あしく世の中に風邪やインフルエンザが流行っているところだったから、万が一にも何かそういう感冒のたぐいを病室に持ち込んではいけないと思い、私は病院にお見舞いに行ったのだけれども、お嫁さんと赤ちゃんが休んでいるそのベッドの手前でさっと会ってお嫁さんと息子と言葉を二言三言の短い会話を交わし、そしてすぐに去るというごく短時間の面会にした。そういう事情もあったし、何よりもお産で頑張ったお母さんは、たいへんお疲れのはずにもかかわらず、そうした中でも健気に振る舞っておられたことを考えると、じっくりお話しするなどということは申し訳なくてできなかった。だから、赤ちゃんが生まれたその日のことを思い起こすと、幸いお二人とも何の問題もなく元気そうだが、それ以上にどういう様子なのかよくわからなかったというのが正直なところである。

 しかしそれでも、生まれたその当日にお会い出来たし、それから2日後に行き、そしてまた家内が退院当日にも会えたので、少しは様子がわかった。そうこうしているうちに、お嫁さんから送られてきたメールもあって、赤ちゃんのイメージがだんだんと掴めてきた。まず、お母さんが初産ということで、予定日を過ぎてもじっくりお腹の中にいたものだから、標準より少し大きく生まれて、ほかの赤ちゃんより大きな声で泣くらしい。生まれたその日の写真を見ると、なるほど、そういえば髪の毛も生えてしっかりとした顔立ちをしている。ただ、私が行ったときは寝ていたので、その声が聞けなかったのは、いさささか残念である。

 ところが数日経って少し体力が回復したらしいお母さんから、写真とともにメールが送られてきた。それによると「こんばんは、退院してから少し時間が経ち、赤ちゃんは少しづつ賢くなって来たような気がします。脚のキック力が強くてお布団をはがしたり、甘えたい時はかわいい声を出したり、音楽をかけると興味を示します。お乳、うんち、おしっこで1日があっと言う間に終わりますが、元気に育っています」ということで、親子そろって元気そうな様子、心から安心した。ただ、いささか驚いたのは、赤ちゃんのアップの写真である。生まれた時とは大きく違って、ぱっちりとした目、しっかりとした頬と鼻・・・家内とともに、思わず「可愛いね。お母さん似だ」と言ってしまった。「これは知的美人になるぞ、しかも、なかなか意思か強そうだ」というのが、私の見立てである。

 私たちからは「お母さん、退院後どうされているのかと思っていました。赤ちゃんには昼も夜もないから眠れなくて、さぞかし大変だろうと思いますが、もう少しの辛抱だと思います。時間を見つけて出来るだけ眠るようにされたら良いと思いますが、なかなか難しいでしょうね。それにしても、赤ちゃん、顔はもちろん身体も本当にしっかりしてきましたね。安心しました。気のせいか、赤ちゃんには、その見る日によって、親戚のいろいろな人の顔が出てくるものです。面白いですね。メールをありがとうございました。また、体調のよろしいときに、お知らせ下さい」とメールをした。

 それに対して「温かなご返信ありがとうございます。この子の脚が長く、切れ長の綺麗な目なので、父親かそのお父様似かしら、と話しておりました。これから誰に似てくるか成長が楽しみです。私の方は、お料理やら洗濯やら母に甘えられているため、だいぶ退院時から回復いたしました。明日は、久しぶりにパパと対面しますので、楽しみにしております。また、成長ぶりをご連絡させていただきます」ということだった。いささか気になることは、パパつまり息子は、年度末のために多忙を極めているようだ。体調は大丈夫かと心配になる。何とかこの超多忙な時期を無事に乗り切ってほしい。まあしかし、独身時代とは違って、お嫁さんと赤ちゃんが待っているのだから、これ以上の元気の素はないだろう。頑張ってほしい。




(平成25年3月10日著)
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