手元に、一枚の英文がある。実はこれ、幼稚園からの初孫ちゃんについてのレポート、つまり日本風にいうと「お便り」なのである。この幼稚園は、インターナショナル・スクール系なので、その内容が実によく書けていて、我が初孫ちゃんの特徴がしっかりとらまえられていると感心した。日本の幼稚園でしばしばあるような、単に「はい、なになにが良くできました」という程度のものとは、観察の深さや本質の捉え方がそもそも違う。この幼稚園は、文字通りインテリが運営していると思うのである。まずはその内容を見てみよう。 1.社会性と感情の発達 この子は、この幼稚園のクラスでとても大きなスタートを切りました。幼稚園の友達と良い関係を築き始めています。ほかの子たちに分け与える力が一層良くなったり、何かを待つ忍耐力がさらに身に付くようになりました。また、自分がコントロールできる環境にいることを好むことから、小さなグループで遊んでいたり、あるいはひとり遊びをしています。クラスで行われる毎日の日課をこなすことがとても上手になりました。お食事、トイレ、お掃除などを含めてたくさんのことを自分でしようとしています。もし自分で出来ないことがあると、必ず助けを求めるようになりました。でも、ほかの子との揉め事を言葉で解決するという点については、まだ学んでいる最中です。しかし、先生の言うことを良く聞いて、自分の感情を非常にはっきりと表現することが出来ます。 1. Social & Emotional Development He has made a great start in preschool class. He is beginning to form better relationship with his preschool friends. He is showing an improved ability to share with others and has more patience when waiting for something. He enjoys playing in small groups or individually as he likes to be in control of his environment. He has shown great improvement in following the daily classroom routines. He tries to do many things independently including eating his lunch, toileting and cleaning up. If he cannot do something he does well ask for help. He is still learning how to resolve conflicts by talking with friends. He does well to listen to teachers and is very good at expressing his feelings clearly. 確かに、初孫ちゃんは両親が働いているので、保育園育ちである。言葉もままならないうちから、大きな子や小さな子、同じくらいの子に囲まれて育ったものだから、言葉は悪いが、それは弱肉強食の世界だったのかもしれない。昔、聞いたところによると、朝、まだハイハイをし始めたばかりのこの子を保育園の玄関にポーンと置いた。すると、早速おもちゃ箱に向けて突進していき、気に入ったおもちゃを右手で二つ確保し、残る左手でまた別のおもちゃで遊ぶという離れ業を演じていたというから、笑ってしまう。それくらい要領が良ければ社会でやっていけると思う反面、マナー違反は困るし、周囲に分け与える精神もまた必要だと思っていた。そうすると、よくしたもので、このインターナショナル・スクール系の幼稚園がそういう足りない点をちゃんと教育してくれるのだから、本当に有難いことである。初孫ちゃんは一人っ子で兄弟はいないので、確かに、ひとり遊びをする傾向にある。しかし、まだ3歳半という年齢で、最近ようやくまとまった話が出来るようになったことから、それで同年代の子と話し合って解決せよといわれても、なかなかすぐには出来ないことだと思う。しかし、話すのに慣れるに従ってそういうことは徐々に出来るようになるだろう。そうそう、ここに書いてあるように、この子はなかなか独立心に富んでいて、何でも自分で取り組むタイプだから、まずはやらせてみてという方針の方が、自立心の育成には良い効果があると思う。また、確かに聞き分けの良い子で、自己主張もそれなりにあるから、「先生の言うことを良く聞き、しかも自分の感情を非常にはっきりと表現することが出来」るというのは、本当である。こういうところは、幼稚園側がよく観察していてくれることを示していて、誠に有難いところだ。 2.知性の発達 この子は、周囲の環境にとても好奇心を示し、学ぼうというモチべーションが強い子です。その英語能力は素晴らしく、友達や先生との毎日の会話を英語で行うのを楽しんでいます。しかも(単語を並べる程度のたどたどしい英語ではなくて)ちゃんとした英文で話し、ボキャブラリーも豊富です。クラスで英文を読む力を見せるのを楽しんでいます。今期は、書くことをたくさん取組みました。この子の書く文字は形が良く、それをちょうど良い大きさで書けるようになりました。クラスで行う課題に大きな興味を示しました。発表会を皆と楽しみ、おもちゃの車で遊んだときには、健全な想像力を巡らせました。それに、この子は数字にとても興味があり、「僕は150くらい大きくなりたい」などと、大きな数字を言って楽しんでいます。また、時間や計測にも興味を示します。 2. Intellectual Development He is very curious about his environment and shows great motivation to learn. His English skills are excellent and he enjoys using English in his everyday conversations with friends and teachers. He speaks in full sentences and has a wide range of vocabulary. He enjoys showing the class his reading skills. This term he has practiced a lot of writing. His letters have good form and he is improving in writing them the correct size. He showed a lot of interest for our project. He enjoyed sharing his show and tell and showed a healthy imagination when playing with vehicle toys. He is very interested in numbers. He enjoys saying big numbers "I want to be 150 big!" and is also interested in time and measurement. ははぁ、まずは初孫ちゃんが1歳10ヶ月で受け始めた幼児向けの英語スクールのレッスンの効果が表れていることを素直に喜びたい。確かに、単なる単語の羅列ではなくてちゃんとした英文で話すように教えられているから、それを実践しているようで、誠に結構である。もうアメリカの小学校の2〜3年生の教科書を読んでいるというから、ボキャブラリーが豊富というのも当然だし、また数字や時間なども、お手のものというわけだ。最初は、こういう幼児向けの英語スクールなんて、どうなることやらと思わないわけでもなかったけれど、なかなかどうして、しっかりと消化できているようだ。それに、「健全な想像力」というのも、大事に育てられている証拠で、嬉しい評価である。両親は、この子を本当にかわいがり、あちらこちらに連れて行って生の体験をさせているからだろう。親が時間とお金と、それに愛情をかけてやってきたということが、こんなところにも表れるものだ。 3.身体能力の発達 この子の運動能力は抜群です。走る、そして飛ぶときのバランス感覚はとても良く、高いところから飛ぶことが好きです。また、今期はサッカーのプレーを楽しみ、ボールを追いかけたり蹴ったりすることが上手になりました。その運動能力は、この子の年の割には抜群といえます。さらに、ハサミを扱うことが出来、紙をうまく切ったりそれを上手に折ったり、しかもペンで上手に書くことが出来ます。 3. Physical Development He has very good gross motor skills. He shows good balance when running and jumping and loves jumping from high places. He has also enjoyed playing soccer this term and is getting better chasing the ball and kicking it. He fine motor skills are outstanding for his age. He is capable of using scissors to cut can fold paper well and shows good control when writing with a pencil. 私は小さい頃、自分は走るのは遅いし、何をやっても不器用であることを自覚していた。しかしそれも、孫の代になると、大いに改善されているようで、本当に嬉しい限りだ。前回会ったときに、自宅でビーチボールでサッカーをしたことを思い出す。いやいや、その前にも、娘夫婦はまだよちよち歩きをし始めたばかりのこの初孫ちゃんを、あちこちの行楽地やら公園やら建物内で「ラン」と称して存分に走らせていたから、そういう効果が出ているのだと思う。運動能力と頭の発達とは相関関係が高いと思うので、この調子で育ってくれれば、申し分ないと考えている。
(平成24年7月28日著) (お願い 著作権法の観点から無断での転載や引用はご遠慮ください。) |
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