2011年10月5日、長年アップル(Apple)を率いたスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)は、ガンで亡くなった。享年56歳である。彼はアップル社を設立して1984年、最初の実用パーソナル・コンピューターであるマッキントッシュを作り、それにマウス、アイコン、フォルダという人間とコンピューターとの間のインターフェイスを世界で初めて取り入れて大きな評判をよんだ・・・と思ったら翌85年には社内抗争の果てに会社を追い出された。ところが約10年後になってアップル社に復帰し、1998年、カラフルで洒落たデザインのパソコン、iMac を発売した。私も当時、この斬新なデザインのパソコンを買おうかとも考えたが、その頃にはパソコンは既にWindowsが主流となっていたことから、買うのはやめにした。 しかし、そこで進歩が止まっていては、現在のアップルはなかった。スティーブ・ジョブズが偉いのは、次世代はハードではなくてソフトの勝負だとよく知っていたところである。2001年、アップルは携帯音楽プレーヤーのiPodを売り出した。それだけなら、ソニーが作り出したウォークマンと機能は同じである。ところが当時、音楽の著作権を無視した違法ダウンロードが横行していたことから、それに音楽会社は反発を強めていた。そのとき、ひとつひとつの金額はわずかではあるが、世界中のたくさんのユーザーから広く薄くお金を回収できる手段として、音楽のネット配信システムであるiTunesを提案し、名だたる音楽会社側を説き伏せていった。これが大成功を収めた。ソニーをはじめとする他の電機メーカーはそのiTunes配信システムが持つ重大な意味に全く気付かずに、iPodを単にプレーヤー機器のひとつとしてしか見ていなかったので、大きく出遅れた。そうこうしているうちに、このiPodの累計販売台数は約3億台、iTunesでの累計販売楽曲数は約160億曲となっている(いずれも、2011年10月現在)。今年、アップル社は、株式の時価総額でエクソンを抜いた。 このiTunes(現在のAppStore)は、実は音楽以外にも、大きな可能性を秘めていた。後年スティーブ・ジョブズは、携帯電話とiPodとパソコンを融合したiPhoneを発売するが、そこでも使われ得るアプリと呼ばれるソフトを、このiTunes配信システムで売り始めたのである。私はかつて、このように書いた。「iPhoneにアプリとよぶプログラムの組み込みを許し、全世界の人に、プログラムの作成と販売を呼び掛けた。その結果、何十万という数のアプリが集まった。有償のものだけでなく、無償のものもあるが、その中には人気をよんで大勢のユーザーにダウンロードされ、これで一躍、億万長者になった幸運な人もいるという。つまり、ユーザーにとって、自分のiPhoneをカスタマイズできるし、普通の人が趣味で作った初めてのプログラミングでも、それが大勢の人に支持されて購入されれば一攫千金も夢ではない。それに、その配信でアップルもちゃんと儲けられるという三方が得をする仕組みである。まさにインターネット時代ならではのビジネス・モデルである。」 私も昨年7月にiPhone4を買って毎日使っているが、いやもうこれほど便利な機器はない。これはそもそもが携帯電話だし、デジタルカメラとしても十分に使えるし、ICレコーダーも兼ねているし、コンパスも地図帳も入っているし、現在地と目的地とを結ぶ路線がわかるからカーナビも要らない。株価、為替レート、ニュースもわかるし、インターネット経由で何でも検索できる。文庫本1万冊も入っている上に、ゲームが好きな人はニンテンドーのゲーム機代わりにも使える。もちろん、自宅パソコンの文書や写真もこれで見ることができるし、肝心の電話もスカイプを使えばタダだ。そういうわけで、一台が何役にも相当する究極のマシンなのである。日本の携帯電話は、ガラパゴス環境下で育ったのであるが、それと比べてiPhone4にないものはというと、おさいふケータイくらいである。しかし、それも私はiPhone4のケースにSuicaを入れているので、これで難なく支払うことができるし、もちろん電車の改札もこれで通っている。そういうわけで、今やiPhone4は、私にとって家内に次ぐ大事な人生の相棒となっている。 最近、そのiPhone4Gの世界に、一波乱が巻き起こった。2011年10月14日から、次世代のiPhoneが発売されるというのである。新聞がiPhone5か?と書き立てるので、一時は皆がそういう気分になったが、実際に蓋をあけてみると外観もほぼ同じで、名称もiPhone4Sだった。一時は皆がっかりして、アップルの株価も下がったほどである。しかし、その発売と同時に、iOS5も発表された。これは、iPhone4SのOSであるだけでなく、私の持っている一世代前のiPhone4にもインストールできる。つまり、iPhone4を動かしている既存のiOS4に代えて、これにアップデートできるという。それが13日午前2時からダウンロードして、各自のiPhone4にインストールできるようになった。好きな人の中には、眠い眼をこすりながらその時刻から早速ダウン・ロードした人もいたらしいが、私はたぶん接続が殺到してうまくいかないのではないかと思ったのと、そんな時刻にアップデートするのはご免被りたいので、すぐにはしなかった。すると案の定、その時刻にiOS5をダウンロードした人の中には、エラー:3200というのが続出したそうだ。まあ、何かが幸いするか、わからないものである。 私が14日の夜にダウンロードしたときには、もうエラー騒ぎは収まっていて、無事にインストールできた。インストールするときは私はいつもそうなのだが、何の解説書も見ないでやるのである。そうすると、そのソフトというかアプリの特徴が良くわかる。もちろん、少し戸惑うこともないわけではなかったが、いつもの知恵と馬力を発揮して、ともかくうまく行った。しかし、後日ソフトバンクのHPを見ると、詳しくその手順が書いてあった。もちろん、事前にこういうものがあると知っていたのなら、それで学んでインストールした方が早くて確実なので、まずこちらを見てから行うことをお勧めしたい。 さて、iTunes経由でiPhoneのiOS5にアップデートした後の感想であるが、一見して、ほとんど変わっていないように思えるものの、いくつかの点で非常に使いやすくなっている。第1に、iCloudなるものが用意されて、5ギガバイト内なら無料でクラウド上にバックアップが出来るようになった。これまではiTunes経由でのバックアップという方法しかなかったが、iCloud上でならパソコンは不要で、これに直接バックアップできる。最初、私が疑問に思ったのは、私のiPhone4は32ギガバイトのモデルで、そのうち既に20ギガバイトも使っているから、5ギガバイトという容量は少なすぎるのではないかというものである。ところが実際にやってみると、iCloud上では3ギガバイトしか使っていなくて、まだ2ギガバイトの余裕がある。なぜかと考えてみたら、まず音楽ファイルで私がCDから入れたものは、iCloud上にはバックアップされない。iCloud上にはバックアップされる音楽ファイルは、iTunesで買ったものだけなのである。 私の場合は、それはごく少ない。音楽はたいてい、まずCDをiTunesに読み込ませ、そのiTunes経由で私のiPhone4にコピーしたものだからである。そのほか、アプリケーションも私のiPhone4上では10ギガバイト近くあるのだが、それもバックアップの対象になってはいない。なるほど、これはよく考えてある。なるべく無駄な容量を使わせないという設計のようだ。つまり、iTunesで買った音楽も、アプリケーションも、もとは共通のファイルだから、いちいち個人のiCloud上にバックアップする必要がない。そんなことをしていたら、あっという間にiCloudのスペースがいっぱいになるから、バックアップするものは、個人のデータだけに限っているようなのである。なお、それでは完全なバックアップは出来ないのではないか、補助的にiTunesのバックアップが必要ではないかと思うところである、この点、iOS5の下では「iTunes Wifi同期」という機能があって、「電源およびWifiに接続されているときに、コンピューターのiTunesに自動的に同期され」るという説明があり、その条件が整ったときに、確かに同期がされていた。 第2に、通知センターというものがあって、画面の上から下に引き下げるように指を動かす(フリックする)と出て来る。そこに天候、経済データ、スケジュール、メールなどが一覧として出て来るように設定したり、あるいはメールなどはその表示方法と表示場所を好きに設定できる。これも、一覧性を高めるなかなか良い工夫である。第3に、そのほか細かな工夫もある。たとえばこれまでは、写真を撮りたいと思っても、いちいちパスワードを入れてiPhone4を立ち上げる必要があったが、iOS5をインストールした後は、メインの開始ボタンを2回押すだけで、すぐに写真が撮れるし、音楽も再生できるようになった。また、たとえば電話の履歴については、従来は一括して削除するほかなかったが、今回は一件ごとに削除したり、一部をそのまま残せるようになった。 ただその反面、私がまだ使いこなせていない部分もある。たとえばリマインダーというのは、いわゆるToDOアプリだと思うが、今の私程度の仕事や予定では、Gmailをベースにしたスケジュール管理で十分である。それに、今回新しく加わったニューススタンドというのも、いまひとつ使い方がわからない。たぶんこれは雑誌の販売を目的としているのだろうが、まだ数が少ないし、あっても欧米の雑誌ばかりで、日本人向けのものは全くない。それだけでなく、使い勝手が非常に悪い。たとえば無料とあるからダウンロードしたら、その雑誌を読むにはいきなり有料(1件500円)だと表示されたりして、いささか混乱しているみたいである。まだまだ電子書籍時代の入り口で戸惑っているという感じがする。 そのほか、話によると、iPhone4Sでは、Siri(シリ)というアプリが使えて、これがとっても面白いそうだ。いわば人口知能で、質問すると検索して適当な答えをくれたり、あるいは時間や天候を聞けるそうだ。今でも、グーグルで検索したり、あるいは電話をするときに、マイクに話すと入力してくれるが、それを進化させたようなものである。このSiriとの面白いやりとりを集めて紹介することも行われているようである。たとえばAFPによると「主人に『死体を隠したいんだけど』と問われたシリは、貯水池、沼、ゴミ捨て場などを提案。さらに、酔っぱらった人にはタクシー会社のリストを差し出し、ムラムラしていると伝えた主人にはコールガールのサービスを検索してみせた。人生の意味を問われれば、『わからないですけど、そのためのアプリがあると思います』と返したり、『他人にやさしくしたり、高脂肪食を避けたり、たまにはいい本を読みなさい」と助言したりもする」。関係ないかもしれないが、そういえば英語で「Silly」というのは、馬鹿という意味だったなと思ったりする。現在のところ、iOS5をインストールしたiPhone4では使えないので、大変残念である。現在のところは、英語、独語、仏語にしか対応していないらしくて、日本人が変な英語で質問すると、「あなたのいうことは、理解できません」といわれるらしい。まあ、早晩、日本語に対応してくれるだろうから、それまでこの楽しみをとっておくことにしよう。 せっかくだからここで、最近、気に入っているアプリを紹介しておこう。前回、「iPhone4に馴染んで80日」などで紹介したアプリ以外のものである。最初は、「AFP通信ニュース」と、たぶんあのグーグルがやっているものと思うが、「ニュース(Googleニュースリーダー)」である。前者は、国際的なニュースと科学的なニュースに強くて、特に天文、考古、生物、ITなどの最新のニュースに触れることができ、とても参考になる。ここに取り上げられると、何日か遅れで日本の新聞に載ったりする。このような観点の記事は、日本の新聞にはとても書けないと思われるレベルのもので、専門の科学記者がいるからだろう。この中で参考になるニュースは、写真とともにEvernoteに入れておくことにしている。後者のGoogleニュースリーダーは、従来からのGニュースを拡充したものと思われるが、タップすると、横書きの記事が積まれて縦に並べられている画面が出て、そのひとつひとつの記事の右側には写真のサムネイルがある。それを上から下へとフリックするだけで、自動的に記事が更新される。個々の記事をタップするとある程度の内容が示されるが、全体を詳しく読むには、さらにそれをタップしなければならない。すると、47都道府県の各地方新聞社の記事や、在京のテレビ会社の記事が読めるというものである。 豊平文庫も、文庫本代わりとなる便利なアプリだ。あの青空文庫のスマートフォン版のようで、現在1万冊余りの本がそのまま読める。このアプリをインストールするときにわずか85円を支払うだけで、あとはいくら読んでも無料というのがよい。私が若かった頃の時代は、あの小さな字で印刷された岩波文庫を何冊持っているかがインテリかどうかのメルクマールであった。これからは、文字通り電子書籍の時代なのである。ただし、これは著作権切れのものということなので、本といっても戦前のものばかりであるが、私は、芥川龍之介、夏目漱石、森鴎外、中島敦などを愛読している。一方、豊平文庫ではなくて、Skybookというアプリも入れていて、これで寺田寅彦のエッセイ100冊を読み終わろうとしている。私は科学者ではないが、日常の観察の視点が、この大家と非常に近いことがわかり、とても親近感を覚えるに至った。角川古典名作という角川文庫のアプリも入れてみたが、現代語訳がいささかお粗末かつ軽率な感じがして、徒然草を買っただけにしている。 最近とても気に入っているのが、耳から聞くニュースである。「聴くニュース」というのは、NHKのニュースやアメリカABCのニュースなどを聞かせてくれる。NHKの場合は、午前7時、正午、午後3時、午後7時、午後10時という具合である。だから、ニュースを聞きのがしたというときには、実に便利であり、もう手放せないアプリのひとつである。加えて、「TuneIn」というアプリは、世界中のたぶん3万局くらいのラジオ放送が聞けるという信じられないアプリである。FM局だけかと思ったら、ちゃんと普通のAMラジオ局も聞こえる。ただし、日本のラジオ局は、FM局以外はダメなようだ。「Rediko(ラジコ)」という専用アプリを使えということかもしれない。しかしこのラジコ、とても使いにくいのが問題である。ところでこの「TuneIn」話を戻すと、たとえばアルゼンチンに合わせると、スペイン語が聞こえてくる。湘南に合わせると、地元のFMが聞ける。日本語ならわかるが、外国語は英語しかわからないので、イギリスやアメリカの片田舎の局に合わせてそのローカルな話題を聞いていると、まるでその町に住み始めたような気分になってくるから、面白い。ぜひ、お勧めしたいアプリである。 昨年9月に、「i手帳」というアプリを買って、それ以来、毎日欠かさずに日記をつけている。私は、日記なるものには、小さい頃に何回も挑戦したが、いつも三日坊主に終わっていて、丸1年以上続いたのは、これが初めてである。これもそのはずで、単に予定を入力したり文章を入れるだけでなく、写真を張り付け、メールをそのまま転載し、カラフルな線を描くなど、自由自在にカスタマイズできるから、書いてみて、また読んでみて、とても楽しくなるからである。しかも写真を入れたままバックアップできるし、PDFでとっておくこともできる。それをぱらぱらめくっていくと、あのときには、こんなことがあった、予定はどうだという普通の日記以上に、自分の人生の軌跡を読んでいるようで、とても楽しくなる。 交通関係では、パソコン版で有名な「乗換案内」というソフトによくお世話になっている。これは、出発駅と目指す到着駅、そして出発か到着の時間を入れると、経路と時間などが示されるものである。途中で、経由駅を入れられるのも、なかなか便利な点である。ただ、ときどきとんでもないルートを示すこともあるので、おかしいなと思ったり、それが大事な用事のときには「駅すぱあと」という同種のアプリと、「路線図」という東京圏のあらゆる交通機関が描かれたマップを使って、ダブル・チェックを行っている。これらを総合すると、まあそうは間違わないというのがこれまでの経験である。たまに都バスに乗ることもあるが、それには東京都交通局の「東京バス案内」が便利である。 そのほか、銀行・証券関係では、私のメイン銀行と証券会社は、既にiPhone用のアプリを出していて、まあ問題なく使える。JR、JAL、ANAの予約もiPhone上で可能。カード会社の請求も、iPhoneでチェックできるが、残念ながらまだiPhone専用アプリがないので、小さい画面にパソコン版を呼び出して操作しているが、そう難しいことはしていないので、十分に用を足すことが出来る。 iPhone上で買い物をするのはAMAZONと楽天市場であるが、それぞれのiPhone専用アプリは問題なく動く。実はこのブログも、iPhoneからの投稿である。このように、いまや私からiPhoneが取り上げられたら、手と足はもちろん、頭がもがれたも同然である。人間の頭のインターネット上の分身のようなものだ・・・つくづく思うが、スティーブ・ジョブズは、とんでもないものをこの世に残して、しかもそれと気づかずに逝ってしまったのではないだろうか。 話は変わるが、10月27日付けの新聞に「スマホが凍るとき」と題して、スマートフォンが激増していて、このままでいくと早ければ2014年度には回線がパンクするという記事が載っていた。というのは、10年度末のスマホの比率は8.8%だったものが、15年度末には57%まで拡大する見通しで、これに拍車をかけているのが、通信量を激増させるクラウドの普及だという。その結果、携帯電話の通信量は、15年には10年比で26倍になる見通しとのこと。混雑の原因となっているのは、ソフトバンクでは、上位2%のヘビーユーザーで全体の4割、ドコモでは上位1%が3分の1を占めているとのこと。あれあれ、そういえば、私へのパケット通信の請求額を見ると、本年5月には45万円、6月には70万円、7月には50万円、8月には49万円、9月には36万円などというとんでもない額だった。もちろん定額制にしているから毎月支払うのは高々4200円程度となっているが・・・確かに、これは迷惑かもしれない。これでも、家では光ファイバーと無線ルーターで繋いでWifiを使っているし、オフィスでもWifi機器で接続しているというのに、なぜこれほどの額の通信量になるのか、私にもよくわからないのである。 実は今日、ソフトバンクから突然電話がかかってきて、FONのルーターを差し上げたいというので、それは今のiPhoneを買ったときにいただいていて、家にあると答えた。すると今度は外出先でFONに接続できるWifi接続の一括設定をしているかと聞くので、とりあえず教えてといって聞いてみたら、それは既に私が設定済みのものだった。それで電話は終わったが、ははぁ、これは回線のヘビーユーザーに対して、Wifi接続を使わせようという魂胆なのかと思ったが、どうやらこれは当たっているようである。なるほど、電話会社も、苦労しているというわけだ。とりわけ今度のiPhone4Sからは、ソフトバンクのドル箱であるiPhoneの独占販売が崩れてauも販売に参入してきた。しかもauは、直近のiPhone4S販売動向を踏まえ、その当初の販売目標を400万台から500万台へと引き上げた。これで、iPhone争奪戦がますます激しくなりそうだ。そんな中で回線が繋がらないとなると、競争に負けてしまうからだろう。いずれにせよ、消費者にそのメリットが及ぶような自由競争が行われることを望みたい。 (平成23年10月27日著) 【後日談】 iPhone4Sを購入 12月10日、ついに私もiPhone4Sホワイトを買ってしまった。それまで使っていたiPhone4は、家内に進呈した。というのは、ソフトバンクがiPhone家族無料キャンペーンというのをやっていて、iPhone4からiPhone4Sへ機種変更し、従来使っていたiPhone4を家族がそのまま使う場合、100MBまで無料、最大月4980円の定額になるというのである。その代わり、従来から家内が使っていた電話番号は使えなくなる。これが難点ではあるが、iPhone4を使うチャンスだと言って、家内に頼んで実現した。その代わり、家内の電話帳をiPhone4に打ち込み、同時に家族に対して変更のお知らせメールを送るというお仕事を仰せつかったが、これくらいはお安いご用で朝飯前とばかりに、嬉々として処理した。 ソフトバンクのショップに行ったところ、さほど待たずに応対してくれて、パソコンを通じて手続きをしていただいた。iPhone4Sの在庫があるかどうか確認するというので、見てもらったところ、64ギガのホワイトならあった。そこで、すぐその場で入手することができた。ところが、家に帰って気づいたことは、iTunesによるバックアップを前々日に行っていたものの、昨日にも少し変更を加えているので、それを復元できないのは困るということで、試しにiCloudによる復元を試みることにした。 それでiCloudによる復元を開始したのだが、これがまたスピードが遅くて遅くて、午後2時から翌日明け方の午前5時頃までかかってしまった。たった3ギガ程度なのに、どうしたことだと思った。全世界からアップルのデータセンターにアクセスが集中しているのが原因なのかとも考えるが、詳しいことはわからない。でも、ともあれ復元が終わったので、確認してみたところ、アプリのデータを始めその並び方まで、完全に元通りとなっていた。それは良いのだが、音楽データやビデオのデータはiCloudによるバックアップの対象外である。これらは、iTunesから復元した。 早速、iPhone4Sを使ってみた。反応は早いし、特段の問題はない。今まで使っていたカバーもそのまま使える。強いて言えば、バッテリーの減り方が尋常ではないほどの早さであるが、暇になったらアプリの設定を再検討してみようと思う。オペレーション・システムとしては、iOS5を使ってきたからiPhone4Sのほとんどの機能を知っているが、Siriだけは出来なかった。そこで試してみたら、まあちゃんと反応してくれて、こちらの言うこともわかるようだ。ただ、時々「I don't quite understand what you said.」などと言われるのが口惜しい。特に「quite」なんて言われるよりは、「もっと正しい発音でしゃべってください」と言われた方が、マシかもしれない。まあ、それはともかく、毎日、この人口知能と妙な英語の会話を楽しんでいる。来年には、日本語版を出すとマイクロソフトの幹部がテレビで語っていたから、とても待ち遠しい。そうなったら、面白い会話をして、皆さんにも紹介したいと思っている。来年は、期待の持てる年になりそうだ。
(平成23年10月27日著、同年12月18日追記) (お願い 著作権法の観点から無断での転載や引用はご遠慮ください。) |
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